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一月から、J-POPのビデオクリップやライブ映像を紹介する番組が、中国で始まった。ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下の
ミュージック・オン・ティーヴィが中国のテレビ局に映像を提供。K-POP(韓流ポップス)旋風がアジアを席巻する中、“内弁慶”だった
J-POPが中国進出の足掛かりをつかむための試みだ。 (早川由紀美)
「J-POPがアジアにおいて、競争力を失っちゃっている。韓国は海外でどう展開するか十年ぐらい考えて、今は収穫の段階に
入っている。日本は十年以上遅れてしまった」
音楽チャンネル「MUSIC ON! TV」を運営するミュージック・オン・ティーヴィの金吉唯彦ソリューションビジネスグループ本部長は、
進出の理由をそう説明する。
同社と、上海メディアグループの「星尚COOLチャンネル」が共同プロデュースする三十分番組「流行櫻楽」は毎週土曜夕方五時
三十分から放映している。中国語字幕を付けたビデオクリップなどを交えながら、最新情報を中国人タレントが紹介する形で構成
されている。これまでいきものがかりやT・M・Revolutionなどのビデオクリップが流れた。
星尚COOLチャンネルはデジタルケーブルで放映されており、上海約二百万世帯など大都市圏を中心に約一千六百万世帯が
視聴可能という。
中国では海外のアニメやテレビ番組はゴールデンタイムに放映できず、総量も規制され、事前の検閲も厳しい。中国のテレビ局と
共同プロデュースの形にすることで、中国の番組としてJ-POPを流すことが可能になった。
一方で、インターネットが浸透し、日本のアニメの海賊版が動画共有サイトなどに流れているのも実情だ。「アニソンに限らず、
雑多にいろんなものを流してみて、多様化しているJ-POPのどこにどんな反応が出てくるか試している段階」(金吉本部長)。
放送は六カ月の予定だが、上海メディアグループ内では「(より視聴世帯が多い)地上波で流せないか」という話も持ち上がっている
という。
番組で足掛かりをつかむことができれば、それをビジネスにつなげていくことが次の課題となる。世界的にCDの売り上げが落ちて
いる中、ライブや物販、さらに中国で年間二千五百億円規模に市場が成長しているというリングバックトーン(相手が掛けてきたときに
聞く呼び出し音)などを視野に入れる。
「韓流エンタメが活動の幅を広げたことで韓国のイメージそのものが向上した。日本のエンタメが成功することは、日本という国や
日本製品のイメージも変わる大きなチャンスだ」
◆エンタメ中国事情
中国では、自国のエンタメ産業育成のため、外国映画について年間五十本までという配給枠を設けている。そのうち二十本は
米国と決まっており、残りの枠をそれ以外の国が争っている。
海外のアニメについてもゴールデンタイムの放送は禁止で、アニメ放映総数の39%以下という総量規制もある。経済産業省
文化情報関連産業課の担当者は「中国は期待できる市場であり、アニメやドラマが受容される環境整備は重点化すべき戦略」
とする。
テレビ東京は中国・常州テレビ系列のアニメ制作会社カーロンアニメーションと協力しフルCGアニメ「トレインヒーロー」を、映画や
テレビシリーズとして制作する。島田昌幸社長は「現状で(日本の)アニメ番組として出て行くのはなかなか難しい。企画力やスキーム
を持っていき、中国産のアニメとしてやる。一つの方向が見えたかなと思う」と話している。
ソース(東京新聞) URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)