11/01/18 12:34:02
「われわれが生産する炭素繊維は『糸』にすぎません。糸に命を吹き込むのはそれを加工し、
完成品を生産する過程です。韓国は炭素繊維を使って生産する自動車・船舶分野に現代自動車や
現代重工業といった世界的な企業を保有しています。それが韓国への大規模投資を決めた理由です」
東レの日覚昭広社長は17日、韓国に炭素繊維工場を設置する計画を発表し、そう語った。
東レが日本以外のアジアに炭素繊維の生産基地を設けるのは韓国が初めてだ。東レ韓国法人の
東レ先端素材は今年、660億ウォン（約49億円）を投資し、慶尚北道亀尾市に年産2200トン規模の
炭素繊維工場を着工し、2013年1月の商業生産開始を見込んでいる。
日覚社長は「炭素繊維市場がアジア地域を中心に拡大するのに備え、投資先を探していたが、
韓国がコスト競争力などの面で最高だと判断した。今後東レの炭素繊維の中心的拠点として
育てていく」と述べた。
韓国企業も最近、炭素繊維の開発に着手している。これについて、日覚社長は「東レも炭素
繊維に40年前から参入したが、利益が出始めてから10年もたたない。われわれの判断では
（韓国は）まだまだではないか」と語った。
■韓国に殺到する日本の部品メーカー
最近、韓国に日本の部品・素材メーカーが押し寄せている。韓国知識経済部（省に相当）に
よると、昨年の日本の部品・素材メーカーによる韓国への投資額は11億6000万ドル（約960億円）で、
日本企業の韓国に対する投資額全体の50％を超えた。2008年の6億2000万ドル（約510億円）に
比べ、2倍近い伸びだ。
日本の部品・素材メーカーが韓国への投資を増やす最大の理由は、韓国が先端素材を最も
多く使用する「完成品大国」に浮上したからだ。需要先（完成品メーカー）がある場所に工場を
建てれば、物流コストを減らすことができ、共同開発など協力関係構築にも有利だ。
東レの日覚社長は「今後炭素繊維は自動車、風力分野で広く商用化されるとみられ、韓国には
その分野で世界的な企業がある。東レとしては、顧客企業の要望に合う製品を共同で開発して
いく機会を得たことになる」と話した。 （続く）
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版 日本の先端部品業界、韓国への投資ラッシュ(上)
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