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【世界の街から】上海 理解し合えぬ同盟国
宴席で隣り合った中国の公安の男性は朝鮮語がペラペラだった。
政府間交流で、平壌の大学に留学して五年間、生活したという。
「平壌には中華料理店もあって普通の街のようだったよ。でも、すぐに違ってると気付いた」
学内で話をできる北朝鮮の人は教師だけで学生は隔離。
街を出歩いても「中国人には誰も本音を言わない。雰囲気で分かるよ」。
「一年間もいると気がおかしくなる」と言ったところで、上司がチッと舌打ち。
同盟国の悪口を言うなという意味だった。
男性は三十秒ほど黙ったが、酔いが手伝ったのか、再び口を開いた。
「あの国はおかしい。突然、砲撃なんて付き合いきれない」
上海でも、北朝鮮の留学生と交わる機会があるという。
自身の経験からすれば、北朝鮮の人も留学生は意外にざっくばらんだ。
「いやいや、社会主義者の彼らは、上海人を資本主義者だと思っている。絶対に打ち解けあえないさ」
(小坂井文彦)
中日新聞 2011年1月5日
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