【中国】ものづくりの現場から。中国からMade inジャパンを支える構図。日本企業「全てMade inチャイナで作ってほしい」[12/31]at NEWS4PLUS
【中国】ものづくりの現場から。中国からMade inジャパンを支える構図。日本企業「全てMade inチャイナで作ってほしい」[12/31] - 暇つぶし2ch1:振門体φ ★
10/12/31 12:27:53

◇ものづくり、国境超え追求 日本の技術、中国で支え

 日本の大手自動車メーカーから受注したエンジンの金型をなぞる手のひらに、
わずかな違和感があった。「精度が出てねえな」。

12月中旬、中国広東省東莞市にある金型メーカー「アルトラスト」の工場で
技術指導する高野晃一さん(65)が声を上げた。

 金型は金属などの素材から部品を生産するのに使われる。
機械が400台以上並び、約1200人が働く大規模工場。だが、
その日本語に反応したのは工程の確認に来ていた日本の自動車メーカーの担当者だけ。

高野さんは中国人技術者のリーダーと通訳を手招きし、
「表面に傷があるはずだ。確認してくれ」と伝えた。身ぶり手ぶりを交えた指導が始まった。

 「中国人への技術の継承は大変でしょう」。
その夜、日本料理店で自動車メーカーの担当者が高野さんに話しかけた。「

きょうの傷の件のように、感性の部分を伝えることは難しい。
でもね、中には理解する技術者がいる。私は彼らを後継者だと思っていますよ」

 担当者は「中国の工場に金型を発注することは勇気が必要だったが、
日本の技術者がいると心強い」と言ってうなずいた。
「メード・イン・チャイナ」の金型で作られたエンジンは、日本ブランドの自動車に積まれ中国を走る。

 経営の傾いた長野県の金型工場を飛び出し、中国に渡って10年。
中国人技術者のレベルをようやく日本の7割程度まで上げ、特殊な製品以外は独力でできるようになった。
主に日本の子会社「アルトラストジャパン」が受注した製品の製造に携わり、6割は日本へ輸出する。

 金型は日本製の7割ほどの価格。
同社は「品質にこだわるから、鋼材は日本製と同じ。人件費の分だけ安い」という。
中国からメード・イン・ジャパンを支える構図だ。

 高野さんとともに指導にあたる村上英樹さん(42)も長野の金型工場で同僚だった。
日本にいた頃は「仕事がない」「給料が少ない」と愚痴ばかりが口をついた。
今は「忙しくて、そんな暇がなくなった」と苦笑いする。

 だが、中国で働くことに心から納得しているわけではない。香港で暮らす家族とは週1日しか会えず、
日本に建てた家は不在のままローンを支払う。
「時々日本のものづくりが懐かしくなる。でも、日本に仕事がない。
仕事の達成感を味わえる場所がここにしかない」

 アルトラストジャパンはここ数年、日本企業や中国の日系企業から、
露骨に品質を下げてコストを抑えるよう求められることがある。
品質確保のため素材に日本製も使っているのに「最も安い中国材で見積もりを」
「全てメード・イン・チャイナで作ってほしい」という要求だ。

 しかし社長の北澤博之さん(60)は「粗悪な鋼材を使用し、品質で迷惑を掛けることはできない」と断っている。
中国と日本を行き来していると、メード・イン・ジャパンの底力を実感することも多い。
「少し高くても日本製を買う企業はある。日本企業だけが、安くしないと売れないと考えているのかもしれない」と感じる。

 「技術を追求する心に国境はない。我々は中国で品質にこだわりを持って働いている」

以下略

毎日新聞 2010年12月31日 東京朝刊
URLリンク(mainichi.jp)




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