10/12/26 12:11:25
(写真)
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在日韓国・朝鮮人が多く住む大阪・生野の「コリアタウン」。韓流ブームをきっかけに、
在日の日常生活の場は修学旅行生や旅行客が集う名所に様変わりした。
「この街のように、日本には異なる歴史や文化を持つ人がたくさんいる」
(コリアNGOセンター代表理事の郭辰雄=カク・チヌン=さん)
コリアタウンは3つの商店街からなり、東西600メートルの路地に約130店がひしめく。
在日の人が営む店が約7割あり、大阪のお年寄りは今も「朝鮮市場」と呼ぶ。2002年
の日韓W杯をきっかけに、異文化や国際交流を考える“生きた教材”として注目される
ようになった。10年前は年間2000人にも満たなかったが、今は年間1万人を超える
小中高生が訪れる。
店先でトックを焼く女性に「それ何ですか」「焼きもちみたいなものよ」。
食べると「うまいっ」。色鮮やかなチマチョゴリに女子生徒は「きれい」。コリアタウンの
中ほどにある班家(ハンガ)食工房では、キムチ作りも体験した―。
修学旅行で来た熊本高校の生徒は異国情緒あふれる街を楽しんだ。
体験学習の前半はお勉強。日本に漢字や文化を伝えた渡来人に始まり、朝鮮王朝と
朝廷との交流、差別の歴史などを聞いた。強制連行の話では、生徒たちは厳しい表情に。
案内役は非営利組織(NPO)コリアNGOセンターの郭さんと事務局長の金光敏
(キム・クァンミン)さん。2人は大阪生まれの在日3世だ。「得意なのは大阪弁」と話して
笑いを誘った。以前は在日の苦難の歴史が中心だったが、参加した在日の高校生から
「ちょっとしんどい。楽しいことも知りたい」と注文され見直した。金さんは「差別の問題だけ
でなく、料理や音楽、衣装など文化も知ってほしい。それが相互理解につながる」と話す。
物心ついたときには周りは在日の人たちがいた。異文化との共存は当然だった」
(地元食材店の3代目、福本嘉守さん)
6月上旬の週末、コリアタウンが若い女性であふれた。大阪城ホールで開かれた韓国の
アイドルグループ、東方神起のコンサートの前に立ち寄ったという。ここ数年、目立って
増えたのは女性観光客だ。お気に入りの韓流スターのグッズを買い、チヂミなどを食べ
ながら通りを歩き、キムチなど食材を買って帰る。
「怖いイメージがあったけど、おもしろかった」。兵庫県西宮市の40代の女性は20代の娘に
誘われて来た。訪れるのは40~50代の女性が中心。「ファンサイトで知り合い、顔を合わせ
たのは今日が初めて」という5人連れもいた。観光客の増加は街を変えた。昔は在日の人や
料理店との取引だけだったが、「店頭販売が増えた」(福本さん)。福本さんの店先には
韓流スターの写真が飾ってある。
「もっといろんな人に来てもらいたい」と福本さん。30~40代中心に、3つの商店街が共同で
イベントを企画し情報発信する取り組みも始まった。11月の「共生まつり」には、2日間で
2万人が訪れた。在日の古い世代には「観光名所で終わらせたくない」という思いが強い。
若い世代もそれを認識している。「異文化共生の街」へ。それぞれの思いをぶつけ合いながら、
コリアタウンは進化の道を模索している。
(編集委員 青木慎一)
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[日本経済新聞大阪夕刊オムニス関西2010年12月20日付]
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