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高麗青磁の産地として知られる全羅南道康津郡が、
10億ウォン（約7200万円）で購入した青磁の価格がつり上げられたとの疑惑が浮上し、監査院が検察に捜査を依頼した。
監査院は、青磁の価格を鑑定した京畿陶磁博物館のチェ・ゴン元館長が、2007年6月から08年12月にかけ、
青磁の所有者だったL氏から数千万ウォン（1000万ウォン＝約72万円）の金品を受け取った疑いがあるとして、
チェ氏に対し背任・収賄容疑で捜査を行うよう検察に依頼した。
これを受け、ソウル中央地検刑事2部（キム・チャン部長）は関係者に対する捜査に着手した。
チェ氏は07年6月から11月にかけ、高麗青磁のやかん1点（青磁象嵌牡丹菊花紋瓜形）＝写真＝を、
「国宝や宝物に指定される可能性が高い」として、康津青磁博物館に紹介し、
鑑定委員に名乗り出て、10億5000万ウォン（約7600万円）の鑑定価格をつけたという。
ところが、昨年10月に行われた、国会文化体育観光放送通信委員会による国政監査で、この鑑定価格がつり上げられたとの疑惑が浮上した。
当時、与党ハンナラ党の成允煥（ソン・ユンファン）議員は、
「問題の青磁はふたがなく、取っ手も一度欠けたものを付け直している。
こうした点などを考慮すれば、時価は8000万－9000万ウォン（約577万－649万円）程度だという鑑定結果が出た。
鑑定委員と所有者が結託し、鑑定価格を吊り上げた疑いがある」と主張した。
成議員側は当時、問題の青磁の鑑定に参加した国立博物館元館長の鄭良謨（チョン・ヤンモ）氏を名指しし、
「陶磁器分野で最高の権威を持つ鄭氏を筆頭としたグループが鑑定価格をつり上げ、
国・公立博物館に購入を進めたり、国の予算を無駄遣いしたりしたという疑惑がある」と主張した。
鑑定価格をめぐる論議は、古美術界内部の権力争いに発展した。
当時、成議員の依頼で青磁の鑑定を行った人物が、骨董品商の団体「古美術協会」のキム・ジョンチュン会長だったことが明らかになるや、
キム会長による不正疑惑についての情報が捜査機関やメディアなどに寄せられた。
2000年、中国・吉林省で、高句麗時代の古墳の壁画が盗掘された事件の首謀者がキム会長だったという疑惑が浮上し、
昨年3月にはソウル地方警察庁の広域捜査隊が捜査に着手、キム会長の自宅に対し家宅捜索を行った。
結局、警察は今年6月、明確な証拠が見つからなかったとして、捜査を終結させたが、中国政府の関係者が最近、文化財庁に書簡を送り、
「中国が逮捕し、すでに処刑した実行犯3人が、韓国古美術協会の幹部から教唆（きょうさ）され、犯行に及んだ、と供述した。
行方不明になった高句麗時代の壁画は韓国にあると思うが、直ちに返還してほしい」と要請した。
一方、キム会長は壁画の盗掘事件について、「でっち上げ、陰謀にほかならない。あきれてものが言えない」と主張した。
キム会長が同事件の首謀者だとして、捜査機関に通報したのは、チェ・ゴン氏だったという。
今年3月には、キム会長の最大の取引先である美術館に、20の項目についてキム会長を非難する内容の手紙が届いた。
警察が郵便局の監視カメラの画像を確認したところ、手紙を送ったのはチェ氏だったことが分かった。
キム会長はチェ氏を名誉棄損容疑で告訴し、現在、ソウル中央地検刑事2部が捜査を進めている。
チェ氏は本紙の電話取材に対し、
「古美術協会は、所有者と博物館が直接取り引きすれば収益が減るため、陶磁器分野の専門家たちを誹謗（ひぼう）・中傷している。
今回の康津郡の青磁をめぐる事件も、請託によってでっち上げられたと聞いている」と主張した。
また、
「青磁を売ったLさんは、わたしを『兄さん』と呼んでくれるほど親しい関係だ。
作品の取引をする際、金銭による取引が多く、また個人的な事情で金の貸し借りをしたことがあるが、見返りを求めたことはまったくない」と話した。
だが、チェ氏はL氏と金を貸し借りする際、借用証は書かなかったという。
柳井（リュ・ジョン）記者
ソース 朝鮮日報 記事入力 : 2010/12/24 14:22:21
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