10/12/19 11:08:02
【コラム】韓国中小企業の人気を高めるには
「（中小企業で）研究開発（R＆D）職を募集するなら、サムスン電子器興工場がある京畿道
竜仁市よりも北側でなくてはならず、マーケティング企画社員を募集するなら、南のボーダー
ラインはソウル市瑞草区下良才洞だというのを知っていますか」
先日会ったA企業のB副社長は、「最近、最も深刻な悩みは新製品開発や販売ではなく、
人事採用だ」と打ち明けた。同氏は、医療用検査機器製品分野で、8年間で売り上げを年間
1000億ウォン（約73億円）台にまで引き上げたが、「この人なら」と思える人材は、入社して
1－3カ月で辞めたり、面接すら受けてくれなかったりすると嘆いた。
「売り上げの60％は海外で上げており、毎年20％ずつ成長しているのに、地方の中小企業
だという理由でそっぽを向かれるたびに、悔しい思いをする」
B副社長は結局、京畿道竜仁市の本社と別に、最近ソウル市内の良才駅近くに事務所を開設した。
優秀な人材を採用するため、必死に選んだ方法だ。
就職活動シーズンの今、中小中堅企業では、このように求人難に苦しむところが多い。
最近の調査によると、中小企業10社のうち6社は、求人広告を出しても社員を採用できなかった
経験があるという。それにもかかわらず、韓国の青年雇用率（23％）は米国（51％）、
日本（41％）はもちろん、経済協力開発機構（OECD）加盟国のうち最下位だ。このような
不整合を直ちに是正する妙案はない。世界最高水準の高学歴インフレに加え、核家族化、
産業構造の変化、看板を重視する社会の雰囲気までが、複雑に絡み合う複雑な問題だからだ。
しかし、これを放置すれば、韓国経済全体が崩れてしまう。いわゆる「9988（韓国企業の
99％、採用ポストの88％を占める）」といわれる中小企業は、韓国経済の最大の歩兵軍団だが、
実力と地位が次第に低下しているためだ。例えば、韓国の輸出全体に中小企業が占める割合は、
2001年に43％だったのが、昨年は32％にまで低下した。一方、大企業が製作する上位10位の
品目の割合は、輸出全体の63％を占める。
このような傾向が続けば、韓国の産業界は、少数の大企業中心の「スター製品」に依存した
まま、大企業と中小企業の間に主従関係が固定化し、青年たちが中小企業を避ける現象は
さらに深刻化するだろう。大企業を規制して中小企業を支援したり、税制、金融面での
恩恵を与えたりすることによる効果は一時的だ。
大企業もうらやむような世界的競争力を備えた中小企業育成に向け、産業政策の努力を
本格化し、「働きたい中小企業」キャンペーンなどを持続的に繰り広げてほしいと思う。
欧州連合（EU）は、すでに07年からR＆D総支援金額の75％まで中小企業に与える「ユーロ
スタプログラム」などを通じて、優秀な中小企業を育成している。
韓国の一部中小企業は大企業に比べ勤務環境がよく、将来性も明るい。皆知らないだけだ。
小さくても強い韓国型「スモールジャイアンツ（小さな巨人）」企業の成功事例が広く知れ
渡れば、有能な若者が先を競って中小企業に押し寄せる日が必ずやって来る。
宋義達（ソン・ウィダル）産業部次長待遇 朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
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