10/12/17 12:22:56
先ごろ忘年会で横に座った日本の記者に、「日本も大統領制を取るべきだとは思わな
いか」と問われた。わたしはちゅうちょせずに「そう思う」と短く答えた。
日本に住んでいると、こうしたやりとりをたまに経験する。日本の政治家、知識人の大
多数は、議院内閣制が日本のリーダーシップの危機を招いた主因だと考えている。1年
ごとに首相が交代し、交代した首相の支持率は3-4カ月で20-30%台に急落する。これ
では通常の国家運営だけで精いっぱいで、国家的な重大事項には手が付けられない。
日本人は最近、韓国経済の好調を目にして、隣の芝が青く見えるというわけでもなかろ
うが、韓国の政治体制をうらやむ傾向がある。大統領という強いリーダーが、まるでほうき
で庭を掃くように国を率いていると考えているようだ。「大統領制が韓国社会にもたらす副
作用もある」と説明しても分かってはくれない。「議員内閣制だったら現在の韓国はないは
ずだ」と話す日本の政治学者にも会ったことがある。
とはいえ、日本人は誰も憲法改正という「核爆弾」には触れない。現在の二院制を一院
制に変え、与党のリーダーシップを部分的に強化するとか、首相を直接選挙で選ぶべき
だといったアイデアは多い。国会内に「一院制実現議員連盟」というのもある。しかし、日
本社会のどこにもそれを推進する動力はない。
記者は約2年前に来日した当時、韓国には権力分散型の改憲が必要だと考えていた。
政治部記者として10年を過ごしながら、トップの決断に左右される政治をうんざりするほ
ど見てきたからだ。しかし、考えは変わった。議員内閣制にリーダーシップの低下が伴う
という問題もあるが、それよりも日本の政治家の様子が、考えを改めた原因だ。
日本の政治家は選挙が終わった翌月から次の選挙を意識するようだ。韓国ももちろん
そうだが、日本ははるかにその傾向が強い。衆議院は現憲法下でこれまでに24回の総選
挙を経験した。2年半に1回という計算だ。それだけに四六時中、選挙のことばかり考えざ
るを得なくなった。また、3年ごとに行われる参院選では中間評価を受けなくてはならず、
与党は派閥抗争で割れ動揺する。リーダーシップというのが存在することさえ困難な体制だ。
現在の日本には、国家の進路と関連した大きな二つの問題が存在している。消費税を2
倍に引き上げ、社会保障費を調達するかどうか、米国主導の環太平洋パートナーシップ
協定(TPP)に加わるかどうかだ。いずれも政治、経済、社会全体に大きな影響を与えざる
を得ない。しかし、民主党政権がそれを突破できると信じる人に一人も会ったことがない。
韓国でも定期的に改憲論が浮上する。議院内閣制導入に向けた政界の覚書が明らか
になるなどの騒動も何回もあった。しかし、日本に住んでみて、「これは韓国が取るべき
選択ではない」という考えがだんだん深まっている。
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