10/12/04 08:00:38
記者の目:アジア大会に見た日本囲碁の課題=金沢盛栄
中国・広州で開かれた第16回アジア大会(11月12~27日)で、囲碁が初めて競技種目に加わった。
男女団体戦、「ペア碁」と呼ばれる混合ダブルスの計3種目。日本はトップ棋士10人(男性6人、女性4人)
を派遣し全種目に参加したが、メダルは男子団体戦の銅1個だけ。韓国は金3、銅1、中国は銀3、
日本と台湾が各銅1。“囲碁大国・日本”も今は昔。韓国、中国に大きく水をあけられた。
帰国した大竹英雄監督は「各種目でメダルを取ってほしかった。ファンの皆様にわびないといけない」
とつらそうに振り返った。私は、日本が伝統文化としての囲碁をひきずりながら、
勝ち負けが第一のスポーツ大会に参加してしまったことが敗因だと思う。
「あんなのは碁じゃない」「吐き気をもよおした」--。二つの“事件”に日本チームから反発の声が漏れた。
◇勝利至上主義で“反則”も横行
優勝候補の中国と韓国が対戦した20日の混合ダブルス。終盤で負けが確定的になった韓国ペアは、
まったく意味のない地点への着手を始めた。
この種目は各45分の持ち時間を使い切ってしまうと、内容に関係なく負けとなり、
30秒以内に着手すればいい「秒読み」はない。囲碁の場合、将棋のように王を詰ますという
最終目的がないため、無意味な地点に打ち続ければ、ゲームは終了しない。
着手を続ける限り、互いの持ち時間は必ず減る。韓国ペアは中国の時間が少ないのをみて、
「時間切れ作戦」に出た。無意味な着手は10手以上に及び、さすがに審判団が協議し、
規定(時間切れを狙った異常なプレーは審判が止めることができる)により、韓国の反則負けを宣告した。
24日の女子団体(3人制)韓国-北朝鮮戦。この種目は「秒読み」があり、持ち時間1時間を使い切った
北朝鮮選手が、着手が間に合わなかったとして、一度は時間切れと判定された。
北朝鮮側は「30秒以内に打った」と抗議し、審判もこれを認め、韓国に再開をうながした。
ところが韓国選手は判定への諾否を明確にしないまま1時間が経過。同時進行で対局していた
別の韓国選手が勝ち、韓国チーム2勝で勝利が決まった時点で、ようやく試合を再開するという
後味の悪い結末だった。
いずれも日本ではあり得ない。時間切れ作戦はアマチュアの大会ではまれに起こるが、
プロ棋士の間では皆無。「そこまでして勝ちたくない。棋譜が残れば一生の恥になる」(日本棋院所属の棋士)。
江戸時代以来、日本では囲碁は勝負事であると同時に、伝統文化として扱われてきた。
棋士がよく、「勝ちたい」ではなく「立派な棋譜を残したい」と話すのもそのためだ。
(>>2以降に続く)
毎日新聞 2010年12月3日 0時09分
URLリンク(mainichi.jp)
関連スレ
【アジア大会】囲碁 韓国ペアが反則負け スポーツか、伝統文化か★2[11/21]
スレリンク(news4plus板)
【囲碁】「韓国選手、頭に針を刺したまま対局」~アジア大会[12/02]
スレリンク(news4plus板)