10/11/24 13:06:30
尖閣衝突ビデオに、警視庁テロ対策情報の流出。国会運営の混乱と、補正予算案などの審議の難航・・・。
「最近の仙谷氏は、流動食を一日数回に分けて摂り、辛うじて体力を維持しているようです。今後、国会での
乱暴な答弁はもっと増えるでしょうし、結果的に菅内閣の支持率は、さらに低下していくでしょう」(政治評論家・
浅川博忠氏)
仙谷氏はこれまで、菅はバカ、他の大臣もみんなバカ、と言わんばかりの態度で自分が前に出てきて、民主党
政権を仕切ってきた。ところがその結果、負担が増えすぎて手が回らなくなっているのだから、自業自得と言えなく
もない。
尖閣ビデオ流出事件の裏では、「官邸崩壊」を象徴する、こんなこともあった。
ビデオが「YouTube」上にアップされた11月4日夜、新聞記者からその情報を聞いた民主党の川内博史前国交
委員長は、慌てて官邸に電話を入れた。仙谷氏に、事実関係と、対策などを確認するためだ。
ところが、官邸の反応は驚くべきものだったという。
「仙谷氏にコンタクトを取ろうと官邸に電話を入れたのは、夜12時前です。すると、秘書官が出て『長官にはお繋ぎ
できない』と言う。この非常時になぜだと問い質したら、『官房長官は、すでにお休みされています。その件は明日朝、
長官にお伝えします』と言われ、呆気に取られました」
菅政権において、重大情報は、まず仙谷氏のもとに集められる。しかし、その仙谷氏が極度の疲労で寝込んで
いる場合、危機管理どころか、官邸の機能そのものが完全に停止するわけだ。
実際、衝突ビデオがネット上を賑わせ始めていたその頃、仙谷氏によって「情報過疎」の状態に追いやられている
菅首相が何をしていたかと言えば、別の民主党議員と無邪気に一杯やっていたのであった。
証言するのは、民主党の斎藤勁国対委員長代理だ。
「あの日は、菅さんから『国対委員長代理の就任祝いをやろう』とお誘いを受け、赤坂の日本料理店で夜9時過ぎ
から会食をしていました。その場には首相秘書官もいましたが、ビデオ流出に関し、何らかの報告が入った気配は
まったくありませんでしたね」
菅首相がこの宴席を後にしたのは午後11時過ぎ。すでにネット上で騒ぎが広がり始め、マスコミも動き始めていた
時間である。
しかし、菅首相はまるで"蚊帳の外"だった。ウソみたいな話だが、国家の最高権力者の情報レベルが、その時点
では一般市民よりはるかに遅れていたのだ。
「その後の政府内は、混乱の極み。日付が変わった後に報告を受けた菅首相は、『どこだ! どこのチャンネルが流し
ている!』と喚き散らし、テレビではなくネット上だと告げられると、『YouTubeってどうやって見るんだ! どうするんだ!』と
焦りまくっていたそうです。一方、仙谷氏のほうは、いきなり『(流出元は)どこだ。海保(海上保安庁)か。那覇(地検)
か』と口走ったとか。どちらかに何かされる・・・そんな心当たりでもあったんでしょうかね」(別の民主党幹部)
仙谷は逃げ切れるか
もともと、菅首相のリーダーシップ不足と仙谷氏の独善主義によって、政府内に混乱が続いていた折だ。「ビデオ
流出」という、たった一本の火矢が放たれただけで、民主党政権の"本丸"は簡単に炎上した。
仙谷氏が、根拠もない段階で「犯人」に言及したくらいだから、政府内ではすぐ、「実行犯は身内」との疑心暗鬼
が広がった。与党内でも多かった「映像を公開すべし」という声を無視し、「中国との密約」を裏付けるような態度を
取ってきた仙谷氏に対しても、ずっと不満が燻り続けていた。
「流出事件の直前にも、政府内には『なぜ映像を全面公開しないのか』と仙谷氏に詰め寄っていた者がいました。
いざ映像が流出した際、彼らが真っ先に疑われたのです」(前出・現役閣僚)
続く