10/11/24 13:05:45
一人の海上保安官の「決意」と「覚悟」が、菅政権を大きく揺さぶっている。
なぜこの航海士は、法を破る危険を冒してまで、衝突映像を流出させたのか。
「実は、政府が映像公開を躊躇した背景に、『中国との密約』があると言われています。9月の衝突事件後、
民主党の細野豪志前幹事長代理が訪中した際、映像を公開しないのと引き換えに、フジタ社員の釈放と
日中間の緊張緩和を"密約"したのではないか、というのです。その絵を描いたのは、言うまでもなく仙谷由人官房
長官です」(民主党幹部)
そこまで中国に媚びるのか
菅政権にとって、横浜で行われたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会談に、中国の胡錦濤国家主席
が出席するかどうかは、政権のメンツに関わる大問題だった。
「そのため当初から、『菅政権は胡主席のAPEC出席と引き換えに、魂を中国に売り飛ばした』などという批判が、
政府内だけでなく霞が関の中からも出ていました。"密約"の中には、菅首相が胡主席と会談しても、領土問題には
一切触れない、などの要求が中国側から出ていた、という話もあります」(外務省関係者)
こうした見方を裏付けるように、衝突映像の公開を否定する仙谷氏の言い訳は、コロコロと変遷してきた。当初は、
「中国をいたずらに刺激してはいけない」と言っていたのに、その後「捜査資料だから」「海上保安庁の漁船拿捕の
手法がばれてしまう」などと説明が二転三転した。
そして、ネット上に映像が流出すると、今度は「(流出犯の)量刑が下がる恐れがある」とまで言い出した。これだけ
支離滅裂な発言が続いたら、「裏に何かある」と考えるのが自然だ。航海士が映像を流すにあたり、「sengoku38」
というハンドルネームを付けたのは、こうした仙谷氏の「裏切り行為」に不信感を抱いてきた、国民全体の気分を
代弁する意味があったのだろう。
今回のビデオ流出騒動で見えたのは、「大官房長官」として政権を牛耳ってきた仙谷氏個人の能力と、民主党
政権の国政担当能力、双方の明らかな限界だ。
政権運営に行き詰まり、もはや正常な判断を誰も下せなくなっているのか、11月10日に行われた衆院予算委員会
を前に、民主党は前代未聞の暴挙に出た。
この日、国会中継は午前11時から始まったが、実際の審議はその30分前に始まっていた。実はこんな中途半端
な放送スケジュールになったのは、民主党がNHKに対し、国会中継の許可を出さなかったからだ。
「予算委は午前10時から開始予定でしたが、中継がないのを知った自民党がNHKに抗議し、30分遅れで審議が
始まり、放送が始まったのはそのさらに30分後でした。しかも、事前に民主党がNHKに対し、『自民党が中継不要
と言っている』と自民党のせいにしていたことが分かり、自民党サイドは激怒していました」(全国紙政治部記者)
この日の予算委は、海上保安官が衝突映像を流出させたとの第一報が流れた直後で、野党の厳しい追及が
予想された。しかし、だからと言って国会中継をやめさせようとは、どこが「開かれたクリーンな政党」なのか。民主党
はその看板を、掛け替える必要がある。
「オレのところに来るな!」
そして、そんな幼稚で身勝手な民主党を牽引してきた仙谷官房長官も、メッキが剥がれ、心身ともに限界が見え
てきた。現役閣僚の一人は、仙谷官房長官が、こうこぼすのを耳にした。
「みんな、オレのところに丸投げしてくる・・・。菅は本当に何も考えていない」
疲れが溜まり頭が朦朧としてくると、逆にイライラが募る。必然、日々の言動にも異変が表れてくる。
「怒りっぽくなり、夜回りの番記者に、『もうオレのところに来るな!』と怒鳴ったりしています。ここ1ヵ月ほどの間に、
ベロベロに酔っ払って、秘書官に支えられないと歩けないような状態で帰宅したことが何度もありました。『壊れ
かかっている』という見方が、記者の間でも広がっています」(全国紙政治部デスク)
>>2-5あたりへ続く
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