10/11/19 15:55:04
北朝鮮トンネル掘削、核実験前兆か駆け引きか 各国警戒
【ソウル=牧野愛博】北朝鮮が核実験用とみられる地下トンネルの掘削や、「軽水炉」と自
称する施設の建設工事を始めたことが確認された。偵察衛星の撮影を前提にした行動や北朝鮮
自らによる説明も目立ち、米韓などに政治的な圧力をかける狙いが透けて見えるが、関係国は
3度目の核実験につながる動きへの警戒を強めている。
韓国政府などによると、トンネルの掘削は、2回の核実験があった咸鏡北道(ハムギョンブ
クト)豊渓里(プンゲリ)付近で行われている。過去の2本のトンネルとは別のトンネルで、
5月ごろから作業が始まった。衛星が掘削に伴う大量の土砂を確認している。
実験間近の兆候を示す、トンネル内の核爆弾と地上の観測装置をつなぐケーブルなどは確認
されていないが、昨年5月の2回目の核実験の際も日米韓は事前にケーブルなどを見つけられ
なかった。韓国政府は「衛星から隠す偽装は十分可能」とみている。
また、2回目の核実験で使われたトンネルは再使用も可能で、韓国政府関係者は「実験がい
つあってもおかしくない状態は、昨年5月から続いている」とも語る。
この関係者は、北朝鮮の動きを「政治的な示威行動」とみる。経済が窮迫する北朝鮮は核問
題を巡る6者協議の再開を模索しているが、米韓両国は「具体的な非核化措置が必要」と慎重
な姿勢を崩していない。2006年10月の初の核実験が米朝対話の契機になったことから、
北朝鮮は核実験への動きを見せることで、現状の打開を狙っている可能性がある。
軍事関係者らは、北朝鮮は重量が5トン近い長崎原爆程度のプルトニウム型原爆を作る技術
力があると分析。弾道ミサイルに搭載できるよう、1トン以下にする小型化を目指して実験を
する意欲が十分あるとみている。爆発が容易な高濃縮ウラン型原爆の実験を目指しているとの
指摘もある。
北朝鮮は9月9日の建国記念日を祝う行事や10月10日の軍事パレードの際に「自衛的核
抑止力」に言及。韓国政府も「実験をほのめかす発言の可能性がある」(関係者)と分析して
おり、過去の核実験に強い不快感を示した中国の動きにも注目している。
一方、日米韓は偵察衛星を通じ、寧辺にある核関連施設でも8月ごろに掘削工事が始まった
ことを確認。北朝鮮側は今月、同地区を訪れた米専門家にコンクリート建築物を見せ、「20
12年までに10万キロワット級軽水炉の実験炉をつくる」と説明した。
韓国電力公社の専門家は「北の技術力では軽水炉の核心部品は作れないし、安全な建設設計
もできない」とし、建設しても7~8年を要するとしている。ただ、韓国政府関係者は「北は
危険をいとわない。絶対できないとは言い切れない」と語る。
軽水炉は低濃縮ウランを燃料とするため、北朝鮮にはウラン濃縮を正当化し、6者協議再開
に備えて有利な条件を作る狙いもありそうだ。
asahi.com 2010年11月19日9時58分
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