10/11/18 11:34:05
「食文化の欧米化によって、韓国伝統の味が忘れられていくのが残念です」
気温が大きく下がる晩秋は、真っ白な湯気が立ち込める田舎の風景や、アツアツでピリッと辛いスープが恋しく
なる。そんなとき、グツグツ煮えた美味しいテンジャンチゲ(韓国式のみそ鍋)にご飯という組み合わせは、
韓国人をこの上なく幸せな気分にしてくれる。そんなテンジャンチゲを求めて、先週末、仁川シティーツアー
を利用し、江華島を訪ねた。
紅葉で真っ赤に染まった街路樹に沿って走っていると、どこからか香ばしい香りが漂ってきた。香りに誘われて
行くと、摩利山のふもとにレンガ色のお店が見えた。都会ではあまり見かけることのない赤い煙突と、古い田舎
の風景を連想させる黒い釜が、この店の第一印象だった。
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「ピョンガネ・テンジャン」では仕込みから醗酵まで、すべて手作業で行っている。
ドアを開けて店内に入ると、香ばしいみその香りが漂っていた。30歳くらいの若い主人がわたしたちを迎えて
くれた。社長のピョン・ドヨンさん(32)は、軍隊を除隊した後、おばが送ってくれたみその味を忘れること
ができず、2007年から両親と一緒に江華島でみそを作っているという。
わたしたちはこの店で一番有名な「カンテンジャン」と、江華島の特産品サツマイモで作ったコチュジャン
(唐辛子みそ)を使った「メウンチョクカルビチム(カルビのピリ辛煮)」を注文した。
20分ほど待つ間、メーン料理の前に手作りの豆腐が出された。熱々の豆腐の表面はキツネ色に香ばしく焼かれ、
中身は真っ白でふっくら柔らかい。
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キツネ色に香ばしく焼かれた「豆腐キムチ」と、サツマイモ入りコチュジャンで作った「カルビのピリ辛煮」。
続いて出てきた「カンテンジャン」「テンジャンチゲ」、数種類のナムル。さらに、湯気を立てながら、真っ赤
に輝く「カルビのピリ辛煮」が出され、テーブルは一杯になった。
カンテンジャンは、採り立てのキキョウの根、ホウレンソウ、青のりなど7種のナムルのほか、真っ赤な飛び魚
の卵、エゴマ油を混ぜて食べる。混ぜている間も、思わずよだれが出そうなほど食欲をそそられる。口の中に
広がるエゴマの香りと、プチプチはじける飛び魚の卵が、カンテンジャンの味をsらに引き立てる。昔、田舎
で食べた祖母の料理を思い出す。
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テーブルいっぱいに並んだ各種ナムルに飛び魚の卵、そしてカンテンジャン。
この店を訪ねてソウルからやって来たというイ・チャンボクさん(64)は、「この店特製のテンジャンで作った
テンジャンチゲのさっぱりした味わいは、昔、母が作ってくれたテンジャンチゲを思い出す。社長の真心が感じ
られる料理だ」と語った。
この店ではカンテンジャン以外にも、オカラのチゲや、海鮮チヂミ、スントゥブ(おぼろ豆腐鍋)など、豆を
使ったさまざまな料理を味わうことができる。
「最近の若者はインスタント食品や調味料を使った料理に舌が慣れてしまい、韓国伝統の味が忘れられている
のが残念」と、ピョン社長の母、パク・オクジャさんは語る。
>>2に続きます
朝鮮日報 2010/11/18
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