10/11/08 17:44:09
―女性スキャンダルも使うのか
「工作対象者の醜聞を握ることは、女性問題であれ、金銭問題であれ、すべて国益につながると考えている。
女性関係でいえば、対象者の妻や女性秘書、親しい女性官僚、関連企業の女性担当者まで徹底的に調べ
尽くす。『女性に弱い』となれば、時には女性工作員を使い、ハニートラップを仕掛けることもある」
―菅政権のターゲットは誰か
「最大のターゲットは前原外相だ。彼は、事あるごとに中国の軍備(増強)政策を批判してきた。親米派である
うえ、親台派でもある。これまで、台湾独立派の関係者と何度も食事をしていることを確認している。前原外相に
ついては、どんな小さな情報も収集している。最重要の工作対象者といえる」
―中国外務省は「(前原外相は)中日間の諸悪の根源、即刻罷免せよ!」という過激な声明を出している。
ソフトパワー戦略と矛盾しないか
「先ほど説明したが、工作活動にはハードとソフトの両面がある。前原外相に対しては、まず、外交的に強烈な
圧力を加える。そのうえで、ソフトパワーで懐柔・籠絡する両面作戦だ。工作会議でも、この方針は十分検討され、
了承された。中国外務省の声明も計算し尽くしたもの。国益を賭けた国際政治の舞台裏では、驚くほどの話では
ない」
―すでに、前原外相の弱みを握ったのか
「…詳しいことは明かせない。スキャンダルがなければ作る手もある」
不気味な予告というしかない。APECでの華やかな首脳外交の裏側で、中国は今後、巧みな謀略工作を仕掛け
てくるのか。「戦略なき日本外交」は、まさしく崖っぷちに立たされている。
【かとう・あきら】1944年、静岡県生まれ。大宅マスコミ塾で学び、「瀬島龍三・シベリアの真実」「『中川一郎
怪死事件』18年目の真実」などのスクープを連発。「闇の男 野坂参三の百年」で94年、第25回大宅壮一
ノンフィクション賞を受賞した。
終