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石垣島漁師「海保に感謝。犯人捜しやめて」 尖閣ビデオ流出
産経新聞 11月8日(月)11時54分配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
石垣港に停泊する海保の船。船上で石垣海上保安部の関係者が作業に当たっていた=8日午前8時53分、
沖縄県石垣市(渡部圭介撮影)(写真:産経新聞)
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像がインターネット上に流出した問題は、
地元にも波紋を生じさせた。
石垣島の漁師らは、違法操業を繰り返す中国漁船などと日々対峙(たいじ)し、命をかけて自分たちの
生活を守ってくれる石垣海上保安部(石垣市)に畏敬(いけい)の念を抱く一方、映像を隠し続けた
政府の姿勢に反発。「(流出した人物の)犯人捜しはやめて」と口をそろえている。(渡部圭介)
石垣島の約170キロ北方に浮かぶ東シナ海の尖閣諸島。周辺は黒潮の本流に沿ったマグロの好漁場だ。
漁師たちは片道5時間かけて漁に出向くが、日本の領海に侵入し、違法操業を繰り返す中国や台湾漁船の
大船団が頻繁に現れ、身の危険を感じて引き返すこともあるという。
多いときで100隻近くになることもある違法船団に対し、石垣海保は3隻の巡視船を中心に取り締まりに当たり、
日本の漁船を守っている。衝突事件後も漁師たちは漁場に向かい、海保は巡視を続けている。
スピードを上げ、急接近してぶつかる中国漁船、衝撃で揺れる船上から停止を命じる巡視船の乗組員-。
流出映像に写っていた海上保安官たちの姿は、漁師らが日々目の当たりにしてきた、
命を張って自分たちの生活の糧を守る姿と一緒だった。
「(ビデオの流出主に)ありがとうと言いたい。海上保安官たちの気持ちをくんでやってくれたに違いない」。
漁師の男性(49)はそう話す一方、「そもそも政府が映像を公開していればこんな問題にはならなかったんだ」と
声を荒らげた。
石垣海保では連日夜遅くまで、東京の本庁から派遣された職員たちによる流出元の調査が行われている。
石垣海保の職員たちは「何も話せない」と口を閉ざし、庁内には身内に犯人がいるのではないかという重苦しい空気が漂う。
八重山漁協組合長の上原亀一さん(48)も「中国漁船の悪質さには怒りを覚える。最初から公開すべきだった」
と政府の対応を批判。
「流出は悪いことなのかもしれないが、個人的には犯人捜しをしてほしくないし、必要ないと思う」と話し、
海上保安官たちの気持ちを受け止めながら流出主をかばう。
海上保安官たちの実像と、漁師が直面している中国・台湾漁船の脅威。44分間の映像は、同じ島に住み同じ海で
働く者たちの今を世界に生々しく伝えた。
「海上保安官たちの命が危険にさらされているということを訴えたかったのではないだろうか」。
石垣市議会の伊良皆高信議長は流出目的を推測しつつ、関心が犯人捜しに集まり、本質が見過ごされてしまうことを
恐れている。
「(流出は)今の態勢で日本の国境が守れるのかという問題提起になった。政府だけでなく、国民全体で
考えなくてはならない問題だ」
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)