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■韓国車の逆輸入、経済性の観点からは「疑問」
それでは、「エクウス」や「ジェネシス」のような高級車を米国で安く購入して韓国に逆輸入するのと、韓国
で購入するのとでは、どちらの方が安いのか。「ジェネシス 3.8」の場合、米国での販売価格は3万3000ドル
(約267万円)で、韓国(4798万ウォン=約347万円)よりもはるかに安い。しかし、同車種を韓国に持ち込む
場合、200万ウォン(約14万円)前後の運送費や関税(搬入価格の8%)、個別の消費税(搬入価格+関税の10%)、
教育税(個別消費税の30%)、付加価値税(搬入価格+個別消費税+教育税の10%)などを追加で支払わなけ
ればならないため、米国で購入した価格に比べて40%も高くなる。
「ジェネシス 3.8」を米国で購入して韓国に持ち込む場合、その費用総額は5000万ウォン(約362万円)以上
にまで上ってしまうことになる。また、米国向けと韓国向けの「ジェネシス」を比べた場合、安全性や仕様な
どの面で韓国向けの方が金額にして400万-500万ウォン(約290万-362万円)ほど高級なパーツを使用してい
る。従って、「ジェネシス」を逆輸入することで得られる経済的なメリットは、それほど大きくないというこ
とがいえる。もちろん「エクウス 4.6」の場合は、逆輸入することで1000万ウォン(約72万円)程度の利益を
得ることができる。しかし、韓国人消費者がわざわざ1000万ウォンの利益を得るために、逆輸入のための複雑
な手続きを、あえて時間の無駄を承知で甘受するかどうかは未知数だ。また、韓国には米国で売られていない
6000万ウォン(約434万円)台の「エクウス 3.8」も販売されており、「エクウス」全体に占める販売台数の
割合も「4.6」モデルよりも「3.8」モデルの方が多い。
「エクウス」の逆輸入が消費者の間で説得力を得るためには、まずは「エクウス」よりも韓国と米国間の価格
差が大きい「LS460」や「740i」、「S500」の逆輸入が活発化するべきだろう。しかし、これらの車種の逆輸入
はほとんど成立していない。
■韓国市場、高級車の価格に依然として「バブル」の気配
だからと言って、エクウスの韓国での販売価格に何ら問題がないと言い切ることもできない。韓国市場では、
小型車に比べて高級車の価格そのものが非常に高いからだ。
現代自の「i30ワゴン」は、米国で1万7000ドル(約138万円)、韓国では1600万ウォン(約116万円)と、韓国
の方がむしろ安い。しかし、「ジェネシス 3.8」は米国で3万3000ドル、韓国では4800万ウォン(約347万円)
と韓国の方が30%も高く、エクウスに至っては韓国の方が実に66%も高い。にもかかわらず、韓国市場では
合理的な価格設定の中小型車が売れず、高い高級車だけが飛ぶように売れる。ちなみに「i30」の先月の販売
台数は、わずか124台にとどまった。欧州でも認められるほどの優れた商品性を兼ね備えたハッチバックだが、
同期間での販売台数は「BMW 5シリーズ」の販売台数(980台)のわずか10%水準と苦戦を強いられた。
結局のところ、高級車だけがよく売れる「異常な」韓国自動車市場の性質が、高級車価格のバブルをあおって
おり、国産車はもちろんのこと、輸入車にまで金儲けの機会を与えているわけだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版