10/10/30 05:39:45
- 日韓電機大手4社、業績に明暗 サムスン、勢いにかげり -
URLリンク(www.asahi.com)
AV・家電製品分野で競い合う日韓の電機大手4社の9月までの業績が29日、出そろった。ソニーとパナソニック
が堅調な回復を見せたのに対し、LG電子は赤字で、高収益を誇ったサムスン電子も勢いにかげりがみえる。日本勢
が「1強」サムスンに引き離されるばかりだった構図は、変わりつつある。
■パナソニックとソニー、回復基調
パナソニックとソニーが29日に発表した10年9月中間連結決算は、いずれも好調だった。円高で売上高が目減り
したものの、想定以上の販売が補った。7~9月の営業利益は4~6月をやや上回り、リーマン・ショック後のどん底
から回復基調を続けている。
パナソニックの売上高は前年同期比31%増の4兆3679億円。中国向けが67%増と大きく伸び、「2けた成長を
続ける新興国が牽引(けん・いん)している」(上野山実常務)。国内でもエコポイントの恩恵でテレビやエアコンが
伸び、家電部門の国内売上高は中間決算として過去最高を記録した。
リーマン・ショック後に実施したリストラ効果も表れ、利益は予想を大きく上回った。営業利益は前年同期の約6倍
の1689億円、純損益も前年の赤字から、747億円の黒字に転換した。
一方のソニーは、売上高が4・1%増の3兆3942億円。デジタルカメラやスマートフォンの生産が世界的に増え、
画像センサーの外販も好調だった。営業損益は前年の582億円の赤字から1356億円の黒字に、純損益も634
億円の赤字から568億円の黒字になった。
■LG電子は赤字転落
最近まで世界市場で優位を固めたとみられた韓国勢には変調の兆しが出ている。
サムスン電子が29日発表した7~9月期の連結営業利益は、4兆8600億ウォン(約3500億円)と高水準を保った
ものの、4~6月期の5兆100億ウォンを下回った。
売上高に対する営業利益率は約12%の高さを誇るものの、中身を見ると、盤石とは言えない。例えば、世界首位
の薄型テレビ中心の事業部門は営業赤字。液晶パネルの利益も前年同期の半分以下に落ち込んだ。競争激化に
よる値下がりが響いた。
営業利益の約7割を稼ぎ出した半導体部門も、メモリーは価格の変動が激しく、サムスンは「10~12月期は供給
過剰など、困難な経営環境が見込まれる」という。
一方、LG電子は7~9月期も苦境が続き、営業損益は前年同期の8510億ウォンの黒字から、1852億ウォン
(約130億円)の赤字に転落した。世界3位の携帯電話部門は、スマートフォンの出遅れで、販売台数は前年同期
より1割減った。
日韓4社が主な売り先とする欧米の景気は依然先行きが不透明。ドル安で輸出競争力がそがれる不安材料も
共通だ。「付加価値のとれる分野に事業を束ねる取捨選択」(加藤優・ソニー執行役)が今後を左右しそうだ。
(大宮司聡、木村和規、ソウル=稲田清英)
ソース : 朝日 2010年10月30日1時37分
URLリンク(www.asahi.com)