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■SPA!獨家報導 恐怖の私設監獄編
中国でかねてからその存在が取りざたされていた私設の監獄=“黒監獄”の悪行が最近、明らかになった。
『南方都市報』(9月24日付)によると、地元政府の腐敗や汚職を中央政府に直訴するために地方から北京を
訪れた陳情者を、民間警備会社が不当に拘束。同社所有の複数の部屋に収監していたことが明らかになった。
この民間警備会社は、直訴されることを阻止したい各地の地方政府の委託を受け、業務を遂行。陳情者1人
につき、地方政府から13万円以上を受け取っていたという。
元収監者によると、多いときには100人以上が収監されていたが、監獄内の環境は劣悪で、食事はほとんど
与えられず、携帯電話も奪われ、外部と連絡できないようにしていた。“看守”の暴力もひどく、脱走は不可能
だったという。
昨年にも、同じく安徽省から直訴に訪れていた21歳の女性が、地元政府関係者に拉致され、市内のホテルの
一室を利用した黒監獄に監禁されたうえ、見張り役に強姦されるという事件も起きている。このホテルは、以前から
各地の地方政府の黒監獄として利用されており、事件発生時には70人以上の収容者がいた(『南都周刊』)。
ところが、見張り役の男こそ強姦罪で逮捕されたものの、監禁した地元政府に対してはお咎めナシ。実態は明らか
にされなかった。
大連市在住の留学生・町田浩太さん(仮名・25歳)も、黒監獄を目にしたという。
「東北地方の農村部を旅行していた際、手錠をかけられて病院に連行される人たちを見た。地元の人に聞くと、
彼らは北京に直訴に行って連れ戻された人たちで、“精神病患者”として強制収容されるとのことでした」
一方、広州市近郊に住む貿易業・田中俊政さん(仮名・45歳)によると、黒監獄に収容されるのは直訴者だけ
ではないようだ。「郊外の町工場から集団で原料を盗もうとした犯人が、従業員らに捕まった。犯人らは、さんざん
ボコボコにされ、警察に引き渡されることなく町の寄り合い所の地下に数日間も監禁されてました」
農村部では、こうした事件は珍しくない。『孝感晩報』(8月27日付)によると、湖北省で民家の地下に黒監獄を
設置し、返済が滞った債務者を収監していた“私設債務者監獄”も摘発されている。
しかし、中国在住のジャーナリスト・平岡正吾氏によれば、こうした私設監獄はいまに始まった話ではないという。
「人が死なないと警察が動かない中国では、人民がボランティアで結成した自警団があり、昔から法律でも
認められて各地に存在しています。もともと、窃盗犯などを捕まえ、警察に引き渡すまでの間、監視しておくのが
彼らの仕事。しかし、警察の気分次第では、ろくな取り調べも行われずに無罪放免となることもある。そこで警察に
引き渡す前に犯人に私刑を加えたり、監禁して“懲役”を科すということも行われるようになった。こうした経緯から、
私設監獄は半ば社会から黙認されてきたんです。しかも現在、中国の刑務所はどこも定員オーバーの状態。
今後、こうした私設監獄を有効活用することも検討されるかもしれません」
中国では、日本に先がけ、すでに刑務所の民営化が始まっているということか…。
■豪華刑務所も問題に!
罪のない人々が、劣悪な環境の下、不当に拘禁される一方、江蘇省や広東省にある刑務所が「豪華すぎる」と
批判を浴びている。西洋風の白亜の建物や小川がせせらぐ中庭は、たしかにシャバより快適そう。さらに政府高官が
収容される場合は、ホテル並みのサービスが提供されるという。07年に汚職で逮捕され、18年の禁固刑に処された
上海市の元共産党書記が収監された部屋は、なんと20平方メートルという広さ。洗濯機や洋式トイレ完備の豪華
独房だった。さらに、一日4回も食事が配給され、1年間の食費は90万円にも及ぶという。これでは犯罪抑止どころか
助長しかねない!?
ソース(ZAKZAK・SPA!) URLリンク(www.zakzak.co.jp)