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ケニア沖で操業中、乗組員は韓国人二人を含む43人
外交通商部が17日に発表したところによると、韓国人乗組員二人が乗った遠洋漁船が今月9日
にケニア沖の海上で操業中、ソマリアの海賊に乗っ取られた。6カ月前の今年4月4日には、韓国
人乗組員5人が乗るタンカー「サムホ・ドリーム号」(30万トン級)も海賊に乗っ取られている。
外交通商部によると、乗っ取られたのはクムミ水産所属のカニ漁漁船「クムミ305号」(241
トン)で、今月9日にケニアのラム港から16キロほど沖合の海上で操業中、ソマリアの海賊に
乗っ取られたという。船には船主で船長のキム氏(54)と機関長のキム氏(67)の韓国人乗組
員二人のほか、中国人二人、ケニア人39人の計43人が乗り込んでいた。同船に搭載された
GPS(衛星利用測位システム)からの信号を分析したところ、船はソマリアの首都のモガディ
シュから北東約400キロの地点にある海賊の拠点ハラデレに抑留され、16日午後からソマリア
の沿岸に沿って南西に移動しているという。目的地や移動の理由については、まだ明らかに
なっていない。
クムミ305号が乗っ取られた地点は、これまで海賊が出没していた海域から400キロ以上離れて
おり、ケニア海軍がときおり偵察を行っていた。しかしソマリアの海賊は今年4月、本拠地から
1900キロ以上離れたインド洋で操業していたタイの漁船を乗っ取るなど、活動の範囲を広げて
いる。サムホ・ドリーム号が乗っ取られたのも、アデン湾から南東に1500キロ以上離れた海域
だった。
ソマリアの海賊がこれまでの活動範囲を広げて活動を行っている理由は、アデン湾などソマリア
の周辺海域では多国籍軍による警戒が強化されているからだ。韓国をはじめとする米国、中国、
欧州連合(EU)各国は、海軍の艦船を派遣してスエズ運河から地中海やインド洋に抜ける船舶
を保護している。そのためソマリアの海賊は、比較的警戒が手薄な周辺国の海域や、公海上を
航行する船舶に目を付けているという。とりわけモンスーンの季節が終わる9月から12月は、
インド洋の波の高さが1メートル以下となるため、海賊の活動も活発になる。クムミ305号が
拉致された翌日(10日)には、日本の船舶会社所有の貨物船「IZUMI」(1万4000トン)が、
ケニアのモンバサ港から128キロ沖合の海上で海賊に乗っ取られた。
一方、17日に拉致から197日目を迎えたサムホ・ドリーム号は、人質解放の条件で双方の主張の
隔たりが大きく、交渉は長期化しているという。韓国の船舶や韓国人が乗る船舶がソマリアの
海賊や武装グループに乗っ取られたのは、2006年4月にトンウォン号が乗っ取られて以来、
7回に達する。
プレトリア(南ア)=チョン・ヒョンソク特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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