【日韓】歴史解釈の変化探る~韓国併合百年シンポに参加して 明治学院大・四方田犬彦教授[10/13]at NEWS4PLUS
【日韓】歴史解釈の変化探る~韓国併合百年シンポに参加して 明治学院大・四方田犬彦教授[10/13] - 暇つぶし2ch2:ピアノを弾く大酋長φ ★
10/10/13 23:04:44
(>>1のつづき)
 わたしは「他者としての日本、内面化された日本」と題して講演し、日本による植民地化が韓国にと
って同時に近代化でもあったというジレンマを前に、両国の芸術家がいかに苦悶(くもん)してきたか
という問題をとりあげた。韓国最初の近代文学者である李光洙(イ・グワンス)が初めて小説を執筆し
た時、母国語ではなく侵略者の言語である日本語を選んだのは、文学を始動させるのに必要な近代
的内面を唯一醸成できたのが日本語であったためであった。この不幸の系譜は、死の直前までおの
れの正確な出自を明かそうとしなかった戦後の立原正秋にまで継承されている。それに対して大島
渚や中上健次は、韓国を媒介項とすることで、日本を批判的に相対化する視座を得た。わたしはこ
のような主張は聴衆に理解されたと信じたい。

 共同討議全体を通して気付いたのは、韓国側が「植民地化」という言葉を避け、「併合」「強制併合」
という語を用いていたことである。「日帝」という、かつて至る所で聴きなれた単語も口にされなかった。
シンポジウムは和やかな雰囲気のうちに終了したが、この用語の転換を通して、韓国側の歴史解釈
の緩やかな変化を探ることは、あるいは可能かもしれない。

 七〇年代の軍事政権下に滞在して以来、韓国はつねにわたしの身近にあった。歴史とはわれわれ
が解放されるべき悪夢である、と語ったのは英領植民地アイルランドに生を享(う)けたジョイスである。
一九一〇年に開始された悪夢から韓国と日本がともに解放される契機として、今回の討議は意味が
あったと思う。
 (よもだ・いぬひこ=明治学院大教授、比較文化、映画史)
(おわり)


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