10/10/03 13:50:06
<国民の理解がカギ>
問題は、援助について日本国民の理解が十分でないことだ。本社が加盟する日本世論調査会の2年前の
調査では、ODAを「増やすべきだ」とする答えは9%しかなかった。「現状の水準でよい」が70%、「さらに減らす
べきだ」は17%。国民がODAに向ける目はまことに冷たい。
援助の意味について、政府の国民に対する説明が決定的に足りない。加えて、援助にからみ、贈収賄、裏金
といった不祥事が多発してきた現実もある。
政府が行った事業仕分けでは、援助の実施機関である国際協力機構(JICA)職員が飛行機のビジネスクラス
で出張していることに厳しい声が寄せられた。無駄や不透明にメスを入れないことには、国民の理解は得られない。
菅直人首相は先のサミットで、途上国の母子保健や教育のために5年間で総額85億ドルを拠出する
「菅コミットメント」を発表した。口約束で終わらせてはならない。2011年度予算ではODA予算を着実に積み
増し、姿勢の転換を内外に印象づけたい。
ODAの予算規模は公共事業費や防衛費に比べれば一けた少ない。増やせないはずはない。
終