10/09/27 14:07:07
>>1の続き
中国の領土拡大、4つの法則
第1段階として領有権を主張し巧みな外交交渉に努める。
第2段階は、調査船による海洋調査や資源開発等を実施する。
第3段階は、周辺海域で海軍艦艇を活動させ軍事的プレゼンスを増大させる。
最終段階の第4段階として、漁民に違法操業をさせたり文民を上陸させて主権碑等を設置させたりする。そして
漁民、民間人保護の大義名分の下、最後は武力を背景に支配権を獲得する。
中国は一党独裁の国であり、党の定めたパターン通りに行動する。ある意味、中国は分かりやすい国である。
パターンさえつかめれば、次の一手が読める。今回の尖閣についてもまさにパターン通りの行動なのである。第1段階
から振り返ってみよう。
中国は1969年、東シナ海の海洋調査によって尖閣付近の石油埋蔵の可能性が取りざたされるまでは、全く
尖閣諸島の領有権を問題にしていなかった。
1978年、甘すぎた日本外交が火種残した
1970年12月30日、中国外交部は突如次のように声明を出している。
「中華人民共和国外交部は、おごそかに次のように声明するものである。釣魚島、黄尾嶼、赤尾嶼、南小島、
北小島などの島嶼は台湾の付属島嶼である。これらの島嶼は台湾と同様、昔から中国領土の不可分の一部で
ある」
日中平和友好条約交渉時、中国は尖閣諸島の領有権を主張したが、日本は領土問題は存在しないと一貫
して門前払いしていた。
だが、条約締結直前の1978年8月10日、鄧小平は園田直外相との会見で「われわれの世代で解決方法を
探し出せなくても、次の世代、次の次の世代が解決方法を探し出せるだろう」と述べた。
これに対し、日本側は「さすがは懐の深い鄧小平」と肯定的に受け入れてしまった。この瞬間から「次世代で
解決すべき問題」の存在、つまり領土問題が存在するのを認めたことになってしまった。
50年、100年先を見越して着実に手を打ってくる中国
まさに50年先、100年先を見通した鄧小平の巧みな外交交渉にやられてしまったわけだ。
その後、断続的に調査船による海洋調査を実施し、周辺海域で海軍艦艇を活動させ軍事的プレゼンスを増大
させるなどして、既成事実を積み重ねているのは報道の通りである。
この支配権確保パターンからすると、尖閣領有権問題は第3段階まで終わり、第4段階に入りつつある。
今後、漁民の不法操業がますます増加し、同時に中国海軍の行動がさらに活発になり、民間人、漁民が上陸
して主権碑を設置するといったことが予想される。尖閣領有権問題での中国の次の一手を読むため、南シナ海
での第4段階を参考に見てみよう。
中国は南シナ海を支配するためには、南沙群島を確保しなければならないと考えた。南沙群島は多量の石油
資源、豊富な漁場が存在し、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア及びブルネイの六ヵ国が領有権を主張
している。
続く