10/09/23 22:43:20
民主党の小沢一郎元幹事長が史上空前規模の国会議員142人を含む600人超の一行を率いた
昨年12月の大訪中団は一体何だったのだろうか。閣僚級の交流停止、東シナ海ガス田の共同開
発をめぐる条約交渉の延期、日本人学生ら1000人の上海万博招待の直前での延期…。
沖縄・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件後の中国の対応を見るにつけ、そんな思いが沸々と
わいてきた。
訪中時、民主党の国会議員は、人民大会堂で一行を出迎えた中国の胡錦濤国家主席と笑顔で
ツーショット写真に納まっていたが、一連の中国側の強硬姿勢は、そんな日中友好にかけた彼ら
の思いや数十万円の旅費も、ほとんど無意味だったことを物語っているようだ。胡氏から「中国人
民の古くからの友人だ。中日関係発展のため数多くの貢献をしてきた」と褒めちぎられた小沢氏は、
日中関係の現状をさぞ憂えていることだろう。ただ、その小沢氏や訪中団の名誉副団長を務めた
民主党の実力者、輿石東参院議員会長が、にわかに降ってわいた日中間の諸問題の解決に奔走
しているという話をまったく耳にしない。何とも不思議だ。
発足して1年が経過した民主党政権は、鳩山由紀夫前首相が提起した具体像が不明の「東アジア
共同体」構想を掲げ、アジア重視の姿勢をとってきた。しかし今となっては、鳩山氏が昨年9月、
東シナ海をめぐって胡氏に語った「友愛の海にしたい」との言葉はむなしさとともに思いだされる。
そういえば、この大訪中団を同行取材した際に最も印象的だったのは、「参院のドン」とも称される
輿石氏が、胡主席の右手を両手で押しいただくように握って、深々と頭を下げてあいさつしたシーン
だった。菅直人首相は国連総会出席のため、米ニューヨークに滞在している。本格的な外交デビュー
を果たすことになった首相には、中国をはじめとする各国に、輿石氏のような姿勢ではなく、毅然
(きぜん)とした態度で相対し、わが国の立場を主張してもらいたい。(原川貴郎)
産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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