10/09/13 20:31:27
9月8日、韓国の人気ガールズ・グループ少女時代(韓国語ではソニョシデ)が満を持して日本デビューを果たした。それに先立って
8月25日に有明コロシアムで開催されたショーケースイベントには、2万2000人のファンが殺到。NHKが9時のニュース番組のトップで
扱うなど、日本でも韓国でも大きな話題を呼んだ。
9月2日には、少女時代のDVD『New Beginning of Girl's Generation』がオリコンデイリーチャート1位に輝いた。韓国のアーチストが
デビュー前に日本でこれだけ注目を集めたことはない。少女時代の日本上陸は、まさに新しい時代の幕開けを物語っているのだ。
(中略)
■パクリの時代を卒業したK-POP
(中略)
少女時代は、もはやK-POPが「パクリ」「もどき」の時代を超え、洋楽・J-POPの要素を融合させた、新しい東アジアのポップミュージックの
スタンダードを創出していることを象徴している。近年開催されているアジア・ソングフェスティバルにおけるアジアのアーチストを見れば、
日本以外はK- POP「もどき」になっていることがわかる。
少女時代だけではない。ダンスが話題のKARAだが、音楽だけでもノリノリかつキュートで十分勝負できる。4MinuteやBrown Eyed Girls
も大人の雰囲気漂うシックでキレのいい仕上がりだ。しかも、彼(彼女)らの後を追う走者が次から次へと育っている。韓国はいつからこんな
とんでもない国になってしまったのか。私も正直驚きを禁じ得ない。
少女時代は日本社会の変化も象徴している。これまでの韓流が中高年女性を主たる担い手とし、ドラマとイケメン中心だったのに対して、
ガールズ・グループは日本の若い女性や男性をも巻き込んでいる。日韓の文化交流における同世代性、共時性、ジェンダーバランスの獲得
とジャンルの多様化などを通じて、ようやくその関係がバランスの取れた安定期に入ってきたといえるだろう。
■「ゆるい」J-POPのアンチテーゼ
K-POPブームといっても、所詮は洋楽やJ-POPの「二番煎じ」で、たいしたことはないと思っている人も多いだろう。若い女性ファンというが、
所詮は一部のマニアで、一般的には浸透しない(もしくは、しないでほしい)と思っている人もいるだろう。
だが、僕の見方は逆だ。今のK-POPファンは音楽にとても詳しくて、新しいものや世界基準に敏感に反応しているといえる。韓国、アジア
だから好きなのではなく、そのサウンド、パフォーマンスなどアーチスト自体に魅了されているのだ。
それは長年、特定の会社やプロデューサーが提供するアイドルとアーチストに選択肢が限定されがちで、いつのまにかその惰性に
飼い慣らされてしまったJ-POP界の保守的な風土や、ヒット曲一つで紅白に何度も出られたり営業に回れたりする、ある意味「ゆるい」
J-POPシーンに対するアンチテーゼといえるかもしれない。
日本も韓国もポスト産業社会の時代に入り、これから生き延びるキーワードは「文化」「観光」、そしてその基盤となる「創造性」「想像力」
「柔軟性」、さらには「人」だ。これからは製品ではなく人の品性こそが問われる時代だ。
フランスなどで日本の「萌え」文化が人気を博しているのは周知の通りだ。AKB48でも少女時代でも、彼女たちやアジアのポップカルチャー
に西洋の若者が熱狂することは痛快ではないか。日本か韓国かで小競り合いをする意味などない。日韓の若い女性の「萌え」や
「カワカッコイイ」文化が、世界中に広まり支持されることは素晴らしいことだ。
2週間ぶりに帰ってきた東京人の表情は正直暗くて無表情だった。暑さのせいもあるだろうが、視線も地面のコインでも探しているかの
ようにうつむき加減。こんな時には、K-POPガールズ・グループを通じて若さと元気をもらおうではないか。少女時代はそんな元気のない
日本社会に対する時代の贈り物かもしれない。
ソース(Newsweek日本版、TOKYO EYE・クォン・ヨンソク氏)
URLリンク(www.newsweekjapan.jp)
※記者からなんとなく参考動画
少女時代「Genie」 (韓国語版)
URLリンク(www.youtube.com)
Dineyra (Raqsga tushgin) ※ウズベキスタンのアーチストらしいです
URLリンク(www.youtube.com)