10/09/10 04:58:22
民主党代表選で、小沢一郎前幹事長はこれまでほとんど争点にならなかった「国のかたち」をめぐる問題に言及した。
一つは、皇位継承を男系男子に限っている皇室典範について「男系の男性にはこだわっていない」と述べ、女性天皇を認める
考えを示したことだ。過去に女性天皇は在位したが、全員が父方の祖先に天皇を持つ男系だった。女系を認めるのはその歴史
を根底から変えることになり、重大な問題だ。
小沢氏は昨年暮れ、天皇陛下と習近平中国国家副主席の特例会見を、当時の鳩山由紀夫内閣とともに強引に実現
させたことでも知られる。天皇と外国要人の会見は1カ月前までに申請が必要というルールを無視したものだった。
この時、小沢氏は「内閣が判断したことについて、陛下がその意を受けて行動なさることは当然のことだ」と述べた。内閣による
天皇の政治利用を正当化した不適切な発言である。時の内閣が天皇を意のままに動かせるかのような傲慢(ごうまん)さも
うかがえた。
民主党全体にも言えるが、特に小沢氏の皇室に対する姿勢には、極めて危ういものがある。
小沢氏は「靖国神社に『A級戦犯』を合祀(ごうし)すべきでないと以前から申し上げている」と分祀論を唱えた。「A級戦犯」
は東京裁判で刑死した東条英機元首相ら戦争指導者を指す連合国側の用語だ。
また、菅直人首相も「A級戦犯」合祀を閣僚が靖国参拝しない理由に挙げている。
しかし、昭和28年の国会で「戦争犯罪による受刑者の赦免決議」が全会一致で採択され、国内法では戦争犯罪者では
ない。
一方、小沢氏は永住外国人への地方参政権付与について「私個人は認める方向でいいが、議論が分かれているのでさらに
議論する必要がある」と語った。この問題では、菅首相は「民主党は前から実現に努力してきた。その姿勢に変更はない」と
述べている。
「A級戦犯」合祀は、中国が日本の首相の靖国参拝に反対する最大の理由だ。外国人参政権は、韓国や在日本大韓民国
民団(民団)が強く求めている。中韓両国に過度に配慮する姿勢は、両氏ともあまり変わらないようだ。
10日に民主党有志が主催する討論会で、両氏は国の根幹にかかわるこれらの問題について、具体策をより明確に語るべきだ。
ソース(MSN産経ニュース) URLリンク(sankei.jp.msn.com)