10/09/05 00:16:27
米国家情報委員会（NIC）のバローズ顧問は、「ゲームのルールが変わった決定的な瞬間はアジア
通貨危機だった」と分析した。彼はNICが2年前に「2025年グローバルブランド報告書」を発表した際、
執筆責任者を務めた人物だ。
この報告書は主要国の未来を展望し、人口、エネルギー、テロなど主要課題について予測したものだ。
1998年以降、米国は押され、中国やインドなどが浮上し、そうした流れは今後も続くとの見通しが示さ
れた。バローズ顧問は、当時台風の進路が変わることを知らなかった国が米国だと評した。
だが、それは米国だけと言えるだろうか。苦痛にあえいだ韓国も通貨危機が世界史の転換点になること
を全く把握していなかった。ただ「やられた」という怒りと「生き残らなければならない」という生存本能に
支配された。そして再び10年後、金融危機が訪れ、怒りと生存本能が交錯する中でショックから立ち直った。
こうして二度のショックと脱出を通じ、韓国人の脳裏に刻まれた思いがある。それは、米国だけを信じて、
追従するわけにはいかないという思いと、これまで通りではまたやられるかもしれないとの思いだ。国家
戦略から経済政策の方向性までを論議する際、こうした流れに逆らうのは困難なはずだ。
国外に向けた経済政策では、徐々に米国との距離を置き始めたとみるべきだ。08年の危機当時、韓国は
IMFの緊急支援を受けるべきだと再び勧告された。通貨危機を耐え抜いた模範国家が緊急支援を受けて
こそ、メキシコや他のアジア諸国も支援を受けるという話も聞いた。しかし、10年前のつらい経験を思い
浮かべ、支援を断固として拒んだ。
最近の金融危機では、米連邦準備制度理事会（FRB）から緊急ドル資金を借り入れたり、中国や日本の
中央銀行と通貨スワップ協定を結ぶといった方策も同時に講じた。1997－98年のアジア通貨危機の際、
すべての処方せんをワシントンから受け取っていたのとは好対照だ。米国だけを信じるわけにはいかない
という危機感から、非常口をいくつか確保した格好だ。
しかし、今後は危機の時だけではなく、米国と他の市場との間でバランスを取らなければならない。
>>2に続く
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