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記事入力 : 2010/08/17 11:20:24
統一税：困惑しきりの企画財政部
「参考にできる対象はドイツだけ…」
李明博（イ・ミョンバク）大統領は15日、日本の植民地支配からの解放を記念する光復節65周年のあいさつで、
「統一税」に言及した。これには、税制や予算を担当する企画財政部も虚を突かれた。
税制を担当する同部税制室の関係者らは16日、「統一税について、何をどうすべきなのか、要領を得ない」と語った。
まさに困った、という表情だった。
ドイツ統一直後の1991年、当時の財務部が統一費用問題に関するドイツの政策などを研究したことがあったが、
その後、進展がない状態にあるからだ。企画財政部の関係者は、「昔の資料を引っかき回しているレベル」と語った。
北朝鮮が急激に崩壊した場合、韓国政府が推定している統一費用は、
今後30年間で最大2兆1400億ドル（現在のレートで約182兆円、以下同）という天文学的な金額だ。
年間84兆ウォン（約6兆447億円）もの財政支出を、30年にわたって必要とする。
北朝鮮が開放を選択し、南北の経済的格差が縮まったとしても、少なくとも3220億ドル（約27兆円）は必要だという。
統一費用に関する事例は、ドイツの例があるだけだ。
企画財政部の関係者らは、「ドイツがどのようにしてきたかなど、概略的な検討を行っている」と語った。
ドイツの場合、統一直後の1991年に「統一連帯賦課金」を導入した。1年限りで、所得税と法人税に
それぞれ7.5％ずつ上乗せした。
一時廃止された後、95年に復活し、このときは所得税と法人税に5.5％を上乗せしている。
統一連帯賦課金で得られた財源は、西ドイツの国内総生産（GDP）の1％に匹敵した。
李大統領が言及した統一税について、民主党側は「富裕層の税金は減らしながら、中産庶民から
新たに税金を取って統一税の財源を整えようというもの」と批判しているが、ドイツ式の統一税を施行した場合、
実際には「富裕層増税」になる。
08年基準で見ると、韓国では、勤労所得層の43.2％、自営業者の40％が「課税基準に達していない」という理由で、
所得税を全く払っていない。
企業についても、赤字の法人は法人税を払っていない。
すなわち、所得税や法人税を払っている階層だけが、統一税を負担することになる。
また、別の方法として、現在10％となっている付加価値税を段階的に引き上げるという案もある。
韓国の付加価値税の税率は、経済協力開発機構（OECD）の平均（17％）に届いておらず、
加盟国の中では日本に次いで低い。
とはいえ、誰もが払う税金という点から、法人税などに追加で賦課する案に比べ、租税抵抗が
大きくなる可能性がある。また長期的には、物価の上昇、消費の鈍化などといった副作用を招きかねない。
新たな税金を作るという案もあるが、この場合も、租税抵抗をどう克服するかがカギだ。
国税庁の関係者は、「“新税は悪税”という言葉がある。新たな税金を作るのは難しいだろう」と語った。
李陳錫（イ・ジンソク）記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
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