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(>>1の続き)
≪「米の恩人」はあり得る≫
これまでも、日本の文化財を空襲から守ったという外国人の話が一部で伝えられている。
その代表的な例は、米ハーバード大で東洋美術を教えていたラングドン・ウォーナー博士
(1881~1955年)が奈良・京都を空襲から外すよう米当局に進言したという“ウォーナー伝説”である。
この話も確証は得られていないが、今回の“中国の恩人”話よりは信憑(しんぴょう)性が高い。
終戦直後の昭和20年11月11日付朝日新聞は「京都・奈良無疵(むきず)の裏」
「『人類の宝』を守る」「米軍の陰に日本美術通」との見出しで、GHQ(連合国軍総司令部)の高官が
伝えた話として、ウォーナー氏が米の「戦争地域における美術および歴史遺蹟(いせき)の保護救済に
関する委員会」で、京都と奈良を空爆の目標から除外しようと献身的な努力を尽くした、と報じた。
秦氏は「ウォーナー氏がスティムソンに働きかけたことはあり得たかもしれないが、
梁氏にその可能性はほとんど考えられない」と話す。麻田氏もほぼ同意見だ。
日中友好協会によると、梁氏の銅像作りは数年前、前会長の故平山郁夫氏(元東京芸大学長)と
中国側の間で話し合われた。「確証はないが、日中の交流を進めるうえで悪い話ではなく、
平城遷都1300年記念事業が行われる奈良県に相談した」という。
今秋、奈良県と中華社会文化発展基金会の共催で、中国からの文化の伝来と奈良を空襲から守った
という文化の保存に感謝するための「日中友好フォーラム」も、奈良市内で開催される予定だ。
奈良は多くの修学旅行生が訪れる。不確かな歴史を独り歩きさせないためにも、
奈良県に再考を求めたい。(いしかわ みずほ)