10/07/17 02:43:51
今年に入り、中国が日本国債への投資を大幅に増やしている。
財務省の国際収支統計によると、証券投資で購入から売却を引いた買い越し額は1~5月計で1兆2762億円(速報値)と、
統計開始以来最高だった2005年通年の5倍になった。
欧州の財政不安とユーロ安を受け、中国当局が外貨準備を日本国債に振り向けているためとみられる。
統計がある05年~09年、中国の買い越し額は多くても2千億円台にとどまった。
だが、欧州の金融市場が混乱し始めた今年に入り、積極的な購入を開始。5月は単月の買い越し額が7352億円に膨らんだ。
売買されているのはほとんどが短期国債だ。
5月は世界有数の金融街シティーの金融機関からの発注がある英国(4兆9807億円)を除けば、中国は最も買い越し額が大きい。
買い越し額全体(3兆2102億円)に占める中国の割合も2割超の水準で「中国の存在感が急に高まっている」(財務省幹部)状況だ。
中国では、証券投資など海外との資本取引が厳しく管理されており、
こうした売買の大半は中国当局の外貨準備の運用によるものとみられる。
中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した6月末の外貨準備高は2兆4543億ドル(約214兆円)と世界首位。
2位の日本の約2.3倍の規模だ。だが、四半期に1度、毎月末の準備高が発表されるこの統計で、
5月末時点で準備高が1年3カ月ぶりに前月末を下回ったことが判明した。
5月には欧州の財政不安が深刻化し、中国の輸出の先行きへの懸念も広がって、
4月にいったん強まった人民元の上昇再開観測が後退。
元切り上げを見込んで中国国内に入り込んだ海外資金が逆に流出し、外貨準備高の減少につながったようだ。
中国政府で外貨準備の運用を担う国家外貨管理局も「5月に入ってから外貨の流入圧力はいくぶん弱まった」としている。
同時に、ユーロ安が急速に進み、中国の外貨準備のうちユーロ建て資産がドル換算で目減りしたことも影響したとみられる。
5月は、中国の日本への証券投資の買い越し額が大きく膨らんだ時期で、
ユーロ資産の目減りを受け、投資先を円資産に振り替えた可能性が高い。
国家外貨管理局は今月2日、「経済や市場の変化などに基づいて(外貨準備の)通貨構成を最適化していく」と改めて強調した。
みずほ証券の高田創チーフストラテジストは「今年に入って円高傾向が続き、4月をピークに国債の金利も低下している。
こうした流れを展望した動きではないか。
中国の買い越しが続けば、さらなる金利の低下につながり、国債市場がより安定する背景になるだろう」とみている。
(福田直之、北京=琴寄辰男)
ソース 朝日新聞 2010年7月17日1時42分
URLリンク(www.asahi.com)
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