10/07/06 12:34:00
>>2の続き
■重なった3つの“喪失体験”
ネットバッシングもやんだわけではなく、新たなドラマに出演するなど、
パクさんのニュースが出るたびに思いだしたかのように中傷の書き込みが再燃した。
そんな中、降って沸いた最愛の父の末期がん宣告だった。
末期がんを知ったパクさんが父親を自宅に連れてきて看病を始めたという。
「お父さんはあまりにも苦しそう。当分は活動を控えて父のそばにいたい」。周囲に何度もこう口にしていたとも。
「父親への思いなど、家族のきずなが強いことは普通はいいことだが、
“両刃の剣”で、追いつめられているときには、逆に苦しくなる。
まじめな人はなおさらで『自分が看なければいけないんだ』とさらに自分を追いつめていく」
新潟青陵大学の碓井真史(まふみ)教授(社会心理学)はこう分析する。
韓国メディアによると、知人の一人は「周囲に迷惑をかけるのが嫌いな性格で、苦しい心の内を外に見せないタイプだった」と振り返る。
「まじめな努力家として生きていく中で少しずつ疲れがたまり、
自殺の準備状態が高まっていると、小さなきっかけで自殺することがある」と碓井教授は話した上で、
自殺のきっかけになり得る大事な人を失う「喪失体験」を挙げた。
「マネジャーという最も信頼していた人を失い、頼りにしていたお父さんが
病気によって以前のようではなくなってしまうという『喪失体験』が重なった。
人気の陰りというのも一種の喪失体験で、3つの喪失体験が同時に起きた」
■“仮面”の下で続いたツイッターのつぶやき
なぜ韓国芸能界に限ってこうも自殺者が相次ぐのか-。
児玉さんは「芸能人に求められるものの大きさが日本と韓国では、大きく違う」と指摘する。
「韓国では、演技力も歌唱力も、学歴や体形、性格まで完璧(かんぺき)でなければいけないという意識がある」
その上で児玉さんはこれに対する芸能人の意識に触れた。
「ネットなんかを見なければいいのに韓国の芸能人は自分の評価を非常に気にする。
求められている姿に自分が追いついていないと、大きな負担を抱える」
関係者の一人はパクさんのドラマや映画での人気の低迷について
「彼には作品に対する意地があった。怖くて逃げるのではなく、
ファンに認められるためにもっともっと頑張ろうとした」と韓国メディアの取材に語っている。
こうした性格の上に「3つの喪失体験」が重なり、臨界点に達したのか。碓井教授はこう指摘する。
「芸能人は常に明るく元気でかっこよくなければならず、弱さや本音を出せない。いつも仮面をかぶっていなければいけない」
やまないネットバッシングからパクさんは個人のホームページを閉じ、
ファンとの交流はもっぱらツイッターでのつぶやきだった。
そこに掲載される写真は、日本で一人活動する姿で、《日本のある屋台で一人焼酎を飲むのがいい》と書き込んでいた。
だが、そのツイッター画面の背景には書き殴ったような字体でこう記されていた。
《人はときどき私もよく分からない私に対してあまりにも簡単に話をする》
何を訴えようとしたのか。
パクさんが支えとし、パクさんの再来日を心待ちにしていた日本のファンにとって、永遠に尋ねられない問いとなった。
ここまで