10/07/05 19:02:06
- 【時論】ウォール街、先日まで韓国人を門前払いしていたが… -
業務のためニューヨーク・ロンドンなど国際金融センターをよく訪問する筆者は、最近、隔世の感を実感する。
韓国から来た金融関係者に対する世界的な銀行・ファンドの重役の態度が、過去に比べて見違えるほど柔らかく
なったからだ。 面談するのがはるかに容易になったのはもちろん、歓待を受けるほどにまでなった。
筆者だけではない。 韓国から来た財界人はほとんどがこうした接待を受けている。 10数年前のアジア通貨
危機当時、資金調達のために彼らに会おうとして、何度も冷遇を受けた経験を考えると、ほとんど衝撃的な変化だ。
10年経てば山川も変わるというが、この10年間の韓国の変化は実に驚くほどだ。 1990年代末、莫大な企業
負債と脆弱な銀行財務構造のため韓国は国際金融市場で‘醜いアヒルの子’のように扱われた。
国際通貨基金(IMF)の緊急資金支援を受けた後、韓国は経済主権をほぼ喪失した。 国民と政府は耐え難い
心情で企業が崩れる姿を眺めた。 その後、IMFが主導した構造調整過程で国内の貴重な資産が安値で外国
投資家に売られる姿も、私たちの自尊心を大きく傷つけた。
しかし今の韓国企業は過去の姿とは全く違う。 優秀な製品で世界市場でシェアを高め、先進国のどの企業
にも劣らない良好な財務構造を誇っている。 国内金融機関も優秀な資産健全性を基礎に海外で投資活動を
再開している。
特に08年のウォール街の金融危機が先進国の経済と企業に大きな打撃を与えた半面、韓国の経済と企業は
初期に危機状況を克服し、速いペースで回復している。 おそらくこうした点のため、世界経済の未来を議論する
主要20カ国・地域(G20)首脳会議をソウルで開催できるようになったのだろう。
筆者が身を置く会社が他の韓国投資家と一緒に昨年、ニューヨーク・マンハッタンの象徴的ビルであるAIG本社
を買収できたのも、こうした影響のためだと見ている。 当時17カ国から30余りの国際コンソーシアムが、
マンハッタン中心街で最も高いこのビルを買収しようと競争した。 結果は韓国系コンソーシアムの勝利に終わった。
もちろん私たちより高い入札価格を提示したところもあった。 しかし販売主幹社は韓国企業の健全性と信頼性を
見て私たちを選定したという。 当時、米国など先進国の経済と企業に対しては多くの懐疑が提起されていた。
また中国など新興国はまだ確実な信頼を得られていない時期だった。
しかし激変する国際金融市場で永遠の勝者や英雄はいない。 ウォール街の重役が金融工学の天才から一朝
一夕にして貪欲な詐欺師に没落したように、韓国の地位もまた過去のように墜落する可能性がある。 先進国の
金融関係者が私たちを歓待するのも、彼らが私たちを必要とするためであり、私たちを好んでいるからではない
はずだ。 韓国経済や企業が揺れれば、私たちはまたいつでも‘醜いアヒルの子’になりうる。 そのためか、
今日に限ってウォール街の歓待がいつよりも用心深く感じられる。
キム・ジョンデ錦湖(クムホ)総合金融社長
ソース : 中央日報 2010.07.05 16:03:20
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