10/07/01 09:50:52
北海道でも期待が膨らむ。政府は7月から、中国人向けの個人観光ビザの発給要件を緩和する。
富裕層に限られていた対象が中間層を含めて10倍に拡大されるという。日本観光への一層の
呼び水になるに違いない。
折しも中国では北海道旅行がブームだ。今年3月には新千歳空港への中国機の乗り入れ制限が
緩和され、北京とを結ぶ定期便も今後増える。
中国の人たちにもっと北海道を訪れてもらいたい。道民との交流で日中友好のすそ野が広がり、
地域経済の活性化にもつながるだろう。
中国人への観光ビザの発給は2000年から始まった。最初は団体旅行客向けで、08年に家族
旅行、昨年7月に個人旅行が解禁された。
ただし年収25万元(326万円)以上の富裕層に限られていた。
これからは同6万元(78万円)程度の中間層にまで対象が広がる。発給申請を受け付ける在外
公館も北京など3カ所から7カ所に増える。
日本の観光にとって、いまや中国人旅行者は欠かせない存在となっている。世界不況の影響を
受けた昨年は、訪日旅行者が前年より2割近く少ない679万人にとどまった。
そうした中で逆に増加した国の一つが中国で、101万人に上った。国・地域別では韓国の159万人、
台湾の102万人に次ぐ数だ。
中国人旅行者は土産品などの購入に平均約12万円を使うという。他国と比べても抜きんでて
多い。東京・銀座の百貨店や秋葉原の家電量販店では買い物客の獲得に力が入る。
中国は海外旅行者が年4千万人を超えるまでになっている。経済成長の勢いを考えれば、日本
への旅行者はもっと掘り起こせるに違いない。
北海道も魅力をアピールするときだ。知床や阿寒湖温泉など道東を舞台にした中国映画が昨年、
本国で大ヒットしたこともあって、旅行先として人気が高まっている。こうした好機を逃しては
もったいない。
そこで意を用いたいのは迎える側の態勢づくりだ。旅行者が異国でまず戸惑うのは言葉の壁
である。
道内のホテルや旅館では中国語の接客サービスの充実を図っているところもある。街中の案内
表示や観光パンフなどにも外国語の表記を増やしたい。
行く先々で多彩な食事が楽しめる工夫も必要だろう。観光地の魅力アップにつながるはずだ。
旅行経験者から、じかに不満や注文をくみ上げるというのも考えられる。
国内外での宣伝も大事だ。旅行会社に新たな観光ルートを提案してリピーターを引きつける。
その中に地元空港を組み込むなど、施設利用の底上げにも知恵を絞ってほしい。
ソース:北海道新聞
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