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- 北斗星(6月28日付) -
在日韓国・朝鮮人、いわゆる「在日」は約60万人を数える。とりわけ芸能やスポーツの
分野において活躍ぶりが目立つ。在日を抜きには語られないほどに
▼甘くささやくような歌声で人気を博した歌手小畑実もそんな一人だ。「勘太郎月夜唄」
「湯島の白梅」などのヒット曲があり、NHK紅白歌合戦に3度出場。年配者なら「あー、あの
人か」と思い出すだろう
▼現在の北朝鮮の生まれ。戦前から日本で名テナーとして活躍した同じ北朝鮮出身の永田
絃次郎(げんじろう)(本名・金永吉(キムヨンギル))にあこがれて来日。音楽学校で学んで
デビューした。岡晴夫、近江俊郎とご三家と評された
▼絶頂期に実業家に転じたが、やがて復帰。1979年に55歳で急死した時、新聞は「秋田県
に生まれた」と報じた。本名・康永喆(カンヨンチョル)が出自を隠し、「小畑実」として歩んだ歌手
人生を後押しした県人がいたからだ
▼大館から上京した小畑イクがその人。戦前の共産党リンチ査問事件で命を落とした党幹部
小畑達夫の継母だ。康(カン)少年は、イクが都内で経営する下宿屋で世話になり、養子縁組
する形で名前を頂いてデビューを果たした
▼こんな逸話が広く知られるようになったのは大館市史(86年刊)に紹介されてから。近刊の
同市人名事典にも収録予定。イクの没後に、小畑はイクのための墓を同市に建立した。本人
は神奈川県鎌倉市にある霊園に眠る。在日の根っこをたどれば、今年で100年となる日韓併合
に行き着く。玄界灘を渡った数だけ在日の歴史がある。
ソース : 秋田魁新報 (2010/06/28 09:34 更新)
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