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観光ニッポン―旅先として魅力に磨きを
魅力ある旅行先として、日本がアジアをはじめ世界の人々から見直されつつある。
菅政権が発表した新成長戦略で「観光立国」が目標のひとつになったのを機に、
この流れをさらに大きくしていきたい。
新成長戦略では、日本を訪れる外国人旅行者を10年後に2500万人に増やすという。
昨年実績679万人の3.7倍という高い目標だ。
それでも成長著しいアジアの中の日本という地の利や、観光資源の潜在力を考えれば
達成は難しくない。そのために多様な政策を動員するべきだ。
増加が期待される中国人観光客については、個人向けの査証(ビザ)の発給基準の緩和が課題となる。
政府はこれまで発給対象を富裕層に限ってきたが、中間所得層を7月から加え、対象世帯を10倍に広げる。
これには犯罪目的の入国者の増加を心配しての慎重論もあった。発給時の審査に厳正さが
欠かせないのはもちろんだが、基準は段階的に緩和していくべきだろう。
人口減少下で伸び悩む国内消費の盛り上げや、日中関係の成熟にも役立つと期待される。
外国人向け観光地としては秋葉原や京都が代表格だが、四季折々の自然や、歴史を映す
伝統文化などの観光資源に恵まれた地域はたくさんある。映画やドラマの舞台となって
広く知られた途端に北海道や秋田が中韓の旅行者に人気を博していることにも、
大いに勇気づけられる。
アジア諸国には日本の歴史遺産や温泉を訪ねたいという人もいれば、
高度な医療や手厚い人間ドックを受けたいといった旅行需要もある。
また、欧州から見れば、日本は「カワイイ」ファッションやアニメ、
ミシュランの三つ星レストランを楽しむことができる文化と食の都でもある。
これまでは、魅力を生かし切れていなかった。日本への外国人旅行者数は世界で28位、
アジアで6位だ。マレーシアや香港は2千万人規模の旅行者を受け入れている。
日本がそれを上回れないはずはない。
潜在力を生かすには、観光の基盤整備も急ぐ必要がある。
公共交通機関などには英語だけでなく中国語、韓国語などの案内や表示も必要だ。
大都市だけでなく地方都市でも拡大すべきだ。企業も外国人旅行者を意識した取り組みが問われる。
最近、大手百貨店で中国人社員の採用を増やす動きがあるが、もっと広げたい。
戦後の日本は規格化された街づくりを優先し、特色ある景観をつぶしてきた。
今後は逆に地域の魅力を再発見し、守りつつ磨きをかける努力が求められよう。
それは地域の活性化にも役立つ。政府は規制改革などで後押しすることに精を出してほしい。
朝日新聞 2010年6月27日(日)付
URLリンク(www.asahi.com)
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