10/08/24 20:14:47.71 vkftGnTJ0 BE:1005523294-PLT(12072) ポイント特典
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日本を訪れる多くの欧米人観光客は、ベストセラーとなった「Memoirs of a Geisha」を片手に、
古き日本の情緒を味わおうと京都の祇園に押しかける。
だが、「飛田新地」は控えめで無垢な芸者の世界とはかけ離れた存在だ。東京の歌舞伎町や
札幌のススキノのようなネオン街の華やかさもない。
飛田新地は大阪の貧しい地域の一角にある。そこは都会の闇に日本がどう向き合ってきたかを
物語る場所でもある。
飛田新地の遊郭としての歴史は1900年代前半に始まり、1920年には売春宿がひしめき合う
ようになった。1958年に売春防止法が施行されてから、それらの店は“料亭”に姿を変えた。
だが外観にだまされてはいけない。飛田新地の料亭のメニューにミシュランの星は載っていない。
日本で売春は禁止されているが、風俗産業に対する締め付けは比較的緩いようだ。都市に
風俗街があることは珍しくなく、しかも堂々と営業している。だが飛田新地は、時代に
取り残されたような場所だ。古びた商店街、高架道路、公営住宅などの間にひっそりと
存在するその場所では何十年も前にタイプスリップしたような錯覚を覚える。東京にも
吉原や歌舞伎町などの風俗街があり、吉原は遊郭として古い歴史があるが、建築物の
魅力はない。
ここが21世紀の日本であることを忘れないようにあらかじめお伝えしておこう。「料亭」の入り口に
座っている女性は女子高生や看護師の制服を着ていることが多い。“ママさん”は顧客を手招きし、
交渉を持ちかける。この界隈の写真を撮りたいと思うかもしれないが、まず無理だろう。言うまでも
ないことだが、この場所の人々は写真を撮られることを好まない。多くの建物についても写真撮影は
避けた方がよい。
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