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歳川隆雄『官僚疑惑』P159-P160
■ 頭を抱える長老人事
この若手実力派登用のような前向きの人事とは裏腹に、外務省には実は、すっかり頭を
抱えている“長老人事”がある。皇太子妃・雅子さまの実父、小和田恒国連大使(五五年入
省)の処遇がそれだ。
一部マスコミに「老害」と書かれたりしている小和田大使だが、事務次官時代に自らが導
入した「六三歳定年制」を破って国連大使に居座り続ける小和田の首に、だれが鈴をつける
か―これがいまや外務省最大の頭痛のタネという。
柳井俊二事務次官は、小和田大使の退官後のポストが決らなくても、今夏までには小和
田に引導を渡す決意をしたとも伝えられてきたが、いまもって実現していない。とにかく気位
が高く、再就職先にしても、本人はマスコミに「ハーバード大教授」や「国際司法裁判所判事」
などについて語っているが、いずれもダメになった。恐らく、外務省の外郭団体である日本国
際問題研究所(所長・松永信雄元駐米大使=四六年入省)の所長が“落し所”ではないか。
それにしても、まことに僭越ながら、この小和田国連大使のようなケースこそ、まさに「晩節
を汚す」というものではないだろうか。