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ディープインパクトの末脚は競馬場の空気を切り裂いた。前半は後方に位置するが、ひとたびゴーサインが
出されるとグングン加速し、いつの間にかライバルたちは後方に置き去りにされてしまう。クラスや相手などは
関係なかった。
見るものに強烈なインパクトを与えた新馬戦。絶望的な位置からつきぬけた若駒S。スタート直後の落馬寸前の
アクシデントをまったく問題にしなかった皐月賞(G1)。無敗で3冠を達成した菊花賞(G1)。さらには常識を覆した
天皇賞(春)(G1)。そのどれもがドラマティックで“非日常”だった。
そのディープインパクトが引退する際「全部がすごいと思ったけど、やっぱりジャパンC(G1)が一番印象的でした」
と語ったのは生産者ノーザンファームの吉田勝己社長だった。「凱旋門賞(G1)を使って、そして帰国して最初の
レース。レース間隔が開いていることや、2度の長距離輸送による目に見えない疲れ。レースの前はそんな
心配もしていましたが、あのレースは素晴らしかった」と賞賛した。
そのジャパンC(G1)は2006年11月26日。このレースにはディープインパクトだけではなく、遠征したドバイシーマ
クラシック(G1)を楽勝し、世界最高峰レースのひとつキングジョージⅥ&クインエリザベスS(G1)で健闘した
ハーツクライも出走メンバーに名を連ねていた。挑んできたのは欧州年度代表馬ウィジャボードや若き2冠馬
メイショウサムソン、3歳トップクラスの実力馬ドリームパスポートなど。それでもディープインパクトへの期待は
レース史上最高の単勝支持率61.2%が雄弁だった。
そして、いつものディープインパクトがいた。レース前半は最後方。残り800m地点くらいからゴーサインが
出されると、孤高の地を行くが如くの走りを見せてゴールではドリームパスポート以下に2馬身の差をつけていた。
(>>2以降に続く)
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