11/11/11 13:11:05.01 0
(>>1の続き)
■メジャーリーグでは個人オーナーが大半
確かにメジャーリーグのオーナーは個人が大半で法人が球団を所有するのは
少数派だ。ブッシュ前大統領もテキサス・レンジャーズの共同オーナーだった。
事業で成功した大金持ちが、メジャーリーグという別の世界で再び名声を高めようと
球団経営に乗り出すのだ。
日本の外食王だった藤田氏にしてみても50億円は出せない金額ではなかった
はずだ。ではなぜ球団買収に踏み切れなかったのか。ここからは筆者の推測だが、
米マクドナルド首脳陣は藤田氏に日本マクドナルドの経営の一線から退くように
アドバイスしたのではないかと思われるのだ。メジャーリーグの場合、球団の
オーナーになると球団経営に専念することを求められる。球団も株式会社である
以上、企業価値を高めることが必要となる。オーナーが財を築いた事業と
球団経営を兼務することにコミッショナーは難色を示すケースがあるという。
日本のプロ野球では球団所有は法人で、しかも球団を持つことで既存事業との
相乗効果を狙っている。藤田氏も日本の事情を説明したと思われるが、野球の
本場である米国のマクドナルド首脳陣を説得することはできなかったのだろう。
米国の流儀にしたがえば、球団経営は片手間でできるものではないということだ。
親会社の経営が揺らいだ場合、球団経営にも影響を及ぼすことを懸念し、
オーナーが二足のわらじを履くことをよしとしないのだ。利益相反の排除だ。
■親会社の都合で球団が売られる日本
日本では親会社の都合で球団を手放すケースはよくある。ダイエーの福岡ダイエー
ホークス売却や近畿日本鉄道の大阪近鉄バファローズの営業譲渡、TBSによる
横浜ベイスターズ売却などだ。日米の野球ビジネスの大きな違いとなっている。
親会社も球団も株式会社。目指すのは企業価値の最大化のはずだ。日本の
プロ野球はサッカーなどに押され、人気の低落傾向に悩まされている。一方、
メジャーリーグは日本人選手などの活躍もあり根強い人気を誇っている。
自由競争社会の米国だが、意外なことにチームの戦力均衡をはかるための
施策もいくつも用意している。(後略)
(終わり)