11/11/04 18:10:34.31 0
>>1のつづき。
高速道路がスタジアムの下を通過しているのはアムステルダムアレーナ。スタジアムの階下にある
駐車場にクルマを置くことができるので、雨降りでも、雨にまったく濡れることなく入退場できる仕組み
になっているが、「駅舎スタジアム」の機能性及び快適性はそれ以上だ。駅前スタジアムは珍しくない
が、駅を覆うように建てられた駅舎スタジアムは斬新。そこにショッピングセンター、あるいはアウ
トレット等が併設されればより画期的になる。
欧州でスタジアム取材を重ねていく中で、ある人はこう言った。
「スタジアムが見習うべきは空港。よいといわれている空港と、よいと言われるスタジアムには共通
するものがある」
空港は飛行機に乗る場所だが、旅の出発点でもある。そこを訪れる人の多くは、すでにレジャー気分
を高揚させている。コンコースをしかめっ面で歩いている人は、超多忙な一部のビジネスマンぐらいだ。
空港に到着した瞬間、あるいはスタジアムのゲートをくぐった瞬間、多くの人は楽しげな気分に浸るわけ
だが、そこで問われるのはまず機能性だ。利用者がスムーズに移動する的確な表示が不可欠になる。
そのウキウキ感をイライラに一変させてはならない。
欧州を代表するハブ空港として知られるアムステルダムのスキポール空港にはカジノがある。乗り換え
客に娯楽性を提供しているわけだが、斬新なアイディアであることは確かだ。その意外性に、僕は思わず
脱帽した。強引に言えば、日本のスタジアムにカジノがあってもいいわけだ。それがダメならゲーセン
でもいい? ともかく楽しげな場所であることを強調するアイディアが欲しい。試合開催日ではない日も、
つい訪れたくなるような場所になることがスタジアムのあるべき姿だと僕は思う。
日本のサッカーファンは、外国のファンに比べ、早くからスタジアムに足を運ぶ傾向がある。ただでさえ
滞在時間は長い。ということは快適性が不可欠になる。試合の中身がよければ客はまた来るはずと
思っていたら大間違いだ。スタジアムは試合の中身が悪くても、成績が出なくてもまた期待と思わせる
空間的な魅力に優れていなければならない。
>>3につづきます。