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毎日新聞 10月16日(日)12時11分配信
東京電力福島第1原発事故による放射線被害から子どもを守るため、
首都圏など東日本大震災の被災3県以外からも西日本に避難している人は多い。
東京都から岡山市に自主避難した芥川賞作家、金原ひとみさん(28)は毎日新聞のインタビューに応じ、
「子どもを被ばくさせたくない。危ないかどうか分からないけど、分からないからこそ避難した」と語った。
震災発生翌日の3月12日、原発事故のニュースをテレビで見ていると、
そばにいた夫と父親から避難を勧められた。
その日のうちに長女(4)を連れ、祖母が生前住んでいた岡山市内に向かった。
臨月だったのですぐ戻るつもりだった。
しかし原発事故が収束しないことに不安を感じ、4月、東京には帰らずに同市内の病院で次女を出産した。
今は、長女を保育園に預けながら次女の世話をしている。
震災前は育児も家事も手を抜いていた。
家事代行サービスを利用し、料理も週に1度作る程度。
金原さんは「長女は生後6カ月で保育園に預け、仕事と育児、遊びを全て堪能していた」と振り返る。
しかし今は、次女に母乳をあげているため外食を控え、自分で料理を作るようになった。
「とにかく、子どもを守ることが大事だと思っている」
金原さんは今、2人の娘と兄らとの5人暮らし。
周囲では、放射線被害を心配する心理を理解してもらえず、苦しんでいる人も多いという。
金原さんは避難した母親が子どもと2人きりになり、孤独に陥ることも心配しており、
「もっと母親同士がつながれるといい」と力を込めた。
金原さんも避難した当初、不安から電話で夫と口げんかをし、ストレスがたまった。
震災後、放射線に関する本を大量に読みあさった。
金原さんは「多くの人が原発の問題点を知らないまま生活し、その間に原発の危険が増した。
同じことは他にもあるだろう。今回をきっかけに、他の問題にも目を向けるべき時期ではないか」と訴えている。
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