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【日本代表】選手にもメディアにも3-4-3の魅力が伝わらない理由
web Sportiva 2011年10月9日(日)配信
3-4-3。それは世の中に当たり前のように存在する布陣ではない。いつでも簡単に
見られる布陣ではない。僕がこのタイトルの本を一冊にまとめた大きな理由はそこにある。
内容もそれに出会った瞬間の驚き、体験談が中心で、インドアな(書斎的な)ムードの
戦術解説の書ではない。
前衛的な匂いさえする少数派。3-4-3はあらゆる布陣の中で最も攻撃的だとされる
ところに何より心は動かされる。少なくとも守備的サッカーが世の中で幅を利かせていた
時代(2002年ぐらいまで)、3-4-3に遭遇すると、心を洗われるような新鮮な感動を
覚えたものだ。日本にまったく存在しないカルチャーであったことも興奮に輪を掛けた。
日本はつい最近まで守備的サッカーに染まっていた。そうした意味において3-4-3は、
まさに非日本的なものの象徴だった。日本在住の僕がカルチャーショックを受けるのは当然。
この文化を日本に積極的に伝えたいと思うのもまた当然で、90年代半ばから積極的に
原稿にしてきたわけだが、読者のすべてが共感してくれたわけではなかった。半分、いや
3分の2の反応は冷たかった。
これまた当然と言えば当然だろう。一介のスポーツライターの原稿を読んで、なるほどと
共感する方がむしろヘン。僕が読者だって「なに言ってんだ、この人は」と、疑ってかかるに
違いない。
原稿とは多くの人に分かりやすく書くべきものだ。伝える努力を最大限するのがライターの
務めである。だが当時、3-4-3を目の前にした僕に、100%の自信はなかった。伝えたい
気持ちは十分にあったし、その努力もしたつもりだが、やはりその真髄は実際に生で見ない
限り分からないという確信があったからだ。その衝撃、ビジュアルショックを文字で伝える限界
を感じながら、 乱暴に言えば、分かる人だけ分かって下さいという感覚で、原稿にしていた
記憶がある。
>>2につづきます。
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