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英国南部のポーツマスに勇敢な女性がいる。カレン・マーフィーさん。
地元のパブを切り盛りするこの女性は、かつてギリシャのテレビ局が放送するイングランド・プレミアリーグの試合を店内で客に見せていた。
これが「違法行為」として、プレミアリーグから多額の罰金を科せられたが、不服としてルクセンブルクにある欧州司法裁判所に訴えた。
そして法廷闘争の末、このたび勝訴したのである。
■“テレビ放映権のボスマン判決”
これまでサッカーのテレビ放映権は、国ごとを単位として売り買いされ、ルール化されていたが、この枠組みが否定されたわけだ。
1995年、ベルギーのサッカー選手であるジャンマルク・ボスマンさんが「1、契約を満了した選手は自由に移籍ができる。
2、EU籍選手は、EU内であれば外国人扱いされずに就労を制限されない」という2点について欧州司法裁判所に訴えた。
この訴えが認められ、それがきっかけとなって欧州内での選手の移籍が活発化。これは「ボスマン判決」と呼ばれ、現在の欧州のサッカーブームの源流となった。
そして今回、マーフィーさんの訴えに対して、既存のテレビ放映権の枠組みを否定した欧州司法裁判所の判決は、“テレビ放映権のボスマン判決”ともいわれている。
■サッカービジネスのあり方、見直される可能性
なぜなら、テレビ放映権による多額の収入で急成長したサッカービジネスのあり方が、見直される可能性が出てきたからだ。
かつてGK川口能活(現ジュビロ磐田)がプレーしたイングランド・チャンピオンシップ(2部リーグ)、ポーツマスの本拠地、フラットンパークに程近いところにそのパブはある。
店名は「レッド・ホワイト・アンド・ブルーパブ」。話はまだポーツマスがプレミアリーグに所属していた6年前にさかのぼる。
店主のマーフィーさんは、ギリシャの衛星テレビ局ノバのデコーダーを購入して契約。店内でプレミアリーグの試合を放送していた。
URLリンク(www.nikkei.com)
>>2以降に続く
2:継続φ ★
11/10/09 00:56:10.02 0
■ギリシャの衛星テレビ局の方が安く
英国でプレミアリーグの試合をパブなどで一般大衆に見せることを目的とした場合、衛星テレビ局スカイスポーツへ支払う受信料は、月々480ポンドもするからだ。
田舎のパブにとっては、大きな出費である。一方、ギリシャのノバのほうは118ポンドで、スカイスポーツよりはるかに安かった。
さらにイングランドでのプレミアリーグとチャンピオンシップの基本的な開催日時は、土曜日の午後3時。
この時間帯に行われる試合は、ファンに実際にスタジアムに足を運んで観戦してもらうようにするため、原則として国内でのテレビ中継は行われない。
だが外国のテレビ局には、この規制がない。つまりレッド・ホワイト・アンド・ブルーパブでは、土曜日の午後3時からの試合でもポーツマスの試合を店内で映すことができたのだ。
■罰金を科せられたが提訴
高いチケットを買わなくても、ライブで試合を見られたため、地元のファンには大好評だったという。
これに対してプレミアリーグ側は「違法」として8000ポンドの罰金を科したのだ。
だがマーフィーさんは黙っていなかった。欧州司法裁判所に訴え、長い法廷闘争の末に今月4日、「英国内法で外国のデコーダーカードを輸入、
販売、使用することを禁じているが、それはサービスの自由提供に反する」という判決が下された。
マーフィーさん側の全面勝利だった。「ホッとしたわ。本当にホッとした。上がったり下がったり、神経質になったり、まるでジェットコースターに乗っているようだった。
変な日々だったけど、ようやく終わったことをうれしく思う」と英国メディアの取材に対して安堵の表情を見せた。
■グレーゾーンは残っているが…
とはいえ、「いまのところレッド・ホワイト・アンド・ブルーパブにデコーダーを設置する予定はない」とマーフィーさんはいう。英国高等裁判所からの確実な承認がまだ得られていないからだ。
欧州司法裁判所は、海外の衛星テレビ局の放送を受信し、個人で楽しんだり、パブなどの店内で流したりすることは合法と判断した。
しかし依然としてグレーゾーンが残る。たとえばプレミアリーグの放送には、それぞれリーグのロゴが使われており、英国内における著作権がクリアになっていないからだ。
3:継続φ ★
11/10/09 00:56:38.07 0
■海外テレビ局と契約する人が増える可能性も
とはいえ、この判決は毎月、高い受信料を払っている英国内のパブ経営者や個人のファンには朗報だ。
プレミアリーグの試合が安く見られるとなれば、スカイスポーツを解約し、ギリシャなど海外のテレビ局と契約する人は今後増える可能性がある。
衛星から降ってくる電波を遮ることはできないからだ。しかも英国のスカイスポーツが放送しない、土曜日の午後3時キックオフの試合も見られる、となればなおさらだろう。
そうなると価格破壊が起き、多くの人が海外のテレビ局と契約し、スカイスポーツの加入者は激減するかもしれない。
その結果がどうなるかというと、イングランドのクラブの収入は約3分の1がテレビ放映権に頼っているから、最終的にはクラブの弱体化を招く……。
■テレビ放映権料の問題に一石
だが、そこまでの事態は起こらないという見方が大勢を占める。現在のプレミアリーグの英国内、海外向けのテレビ放映権の契約は2013年夏まで。
現在の契約条項では海外での視聴は可能だが、プレミアリーグ側が何らかの処置を取ってくることは確実だからだ。
とはいえ、このマーフィーさんの勇気ある行動が、高騰するサッカーのテレビ放映権料の問題に一石を投じたのは明らかだ。
この15年、欧州サッカーは一大産業と化し、世界のトッププレーヤーたちの給与はうなぎ上りに上がり、それとともにテレビ受信料も上がり続けて来た。
入場料やユニホームなどのグッズの代金もしかりである。
だが、一方でインターネットを介せば、世界中のサッカーが無料で見られる時代である。このいびつな状態を正常化するときがやって来たようだ。
4:名無しさん@恐縮です
11/10/09 00:57:21.11 65E+/Cbh0
カスラックみたいなもんか