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(続き)
「ただ、中にはお金の問題ではなく、国際大会で日の丸を背負ってプレーすることは、メジャーなどへのアピールの
場となると考えている選手も多い。そればかりか若い選手には、サッカーの代表戦などを観て、純粋に日の丸のユニ
フォームを着るのが夢という思いもある。その夢の場がなくなるのは寂しい、という意見も少なくない。そういう選手
の声を拾っていくと、妥協点を見出さざるを得なくなるでしょう」
こう説明するのはあるOB選手だった。
■主導権の曖昧さを抜きにしてもWBCで得るものは大きい。
「この大会がいったいどういう大会なのかが良く分からない」こう語って出場辞退を決めたのは、第1回大会のときの
オークランド・アスレチックス、松井秀喜外野手(当時はニューヨーク・ヤンキース所属)だった。
米国ではWBCIを形成するMLB機構と選手会、日本では読売新聞社や代理店などが主導した大会は、確かに松井が予見
したように、曖昧な中でのスタートだった。
ただ、そういう曖昧さを抜きにしても、2度のWBCで日本球界が得たもの(同時に失ったものもあったかもしれないが……)は大きかったはずだ。
'06年の第1回大会のキューバとの決勝戦の視聴率は40%を上回り、'09年の第2回大会の韓国との決勝戦も35%越えを
マークしている。五輪の正式競技から外れた現在、国際大会という大きなインパクトを持ち、世界の中での日本野球の
位置を計る唯一の場は、やはりこのWBCしかないというのも事実なのだ。
■WBC以外にも世界のプロ選手が結集する国際大会を。
参加か不参加か。実質的に何か得られるものがあるならば参加すればいいし、参加の条件が整わないのならば不参加でも、
それはどちらでもいい。
ただ、お金の問題だけを考えれば、日本の企業にはWBCのスポンサーを降りて頂いた方がいい。その半額でもいいから、
日本球界……具体的にはNPBと選手会となるのだろうが……をバックアップしてもらった方がいい。
そうして、WBC大会の縛りがないところで、メジャーリーガーたちも含めて毎年1回でも日本の野球人が結集して、例えば
日韓定期戦とか、国際大会を開催する。
NPBは来年3月11日、東日本大震災復興支援の日本代表戦の開催を決めた。それが第一歩になれば、と期待する。
(終わり)