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2011年09月05日16時00分
提供:NEWSポストセブン
「少しくらい大げさでも、くさくてもいいから、若い人が手に取るような、人の生き死にの話を書かなくてはと思ったんです」。
「遺品整理」という一見、特殊な職業に焦点を当てた自著『アントキノイノチ』(幻冬舎文庫)について、さだまさし(59)はそう話す。
映画の撮影中には、東日本大震災が発生。被災地を訪れて、
いままで以上に感じた「命の重み」について、穏やかな口調で語り始めた。
黒ずくめのハードな服装とはうらはらな、人なつっこい笑顔で登場した、さだ。
インタビュー中の録音許可を求めると、身を乗り出し、録音機に口をつけて、「あーあー、どうぞ」。
一気にその場の空気がなごんだ。
現在は、最新アルバム『SadaCity』の制作に続く、コンサートツアーの真っ最中だが、微塵も疲れを感じさせない。
そして、11月に公開される映画『アントキノイノチ』が、いまから話題を呼んでいる。
榮倉奈々(23)、岡田将生(22)主演の青春の物語の中に、生と死というシリアスなテーマが込められている。
原作はさだの同名小説だ。
執筆のきっかけは7人の死者を出した2008年6月の秋葉原無差別殺傷事件だったという。
「あの事件を機に、いまの若い人たちが置かれた状況に危機感を覚えました。
そして、少しくらい大げさでも、くさくてもいいから、若い人が手に取るような、人の生き死にの話を書かなくてはと思ったんです」
犯人の青年は、携帯サイトの掲示板を心のよりどころとし、ひっきりなしに書き込みをするものの、
相手にされなくなり、ときには誹謗にさらされ、次第に孤立感を深めていった。
そして、殺人を予告する書き込みを行うようになり、ついにはそれを実行に移す。
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