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昔は「子の口に飯が入っていくことと、川から分かれた水が水田に流れ込むことよりいいことはない」
と言ったものだ。10日、札幌ドームに一人の父親がやって来た。
李忠成(り・ただなり、25)=広島=の父・鉄泰さん(53)だ。
鉄泰さんは、東京都西東京市で飲食店を経営しているほか、日本産のマグロを韓国に輸出する貿易業もしている。
この日、生まれて初めて韓日戦にスタメン出場する息子の姿を見るため、札幌を訪れた。
韓国の報道陣からインタビューを受けた鉄泰さんは、息子があれほど夢見ていた国家代表の
主力FWになったのにもかかわらず、笑顔がなかった。いや、笑うことができなかった。
在日韓国人3世として日本で生まれ育ちながら、祖国である韓国にも、生活の基盤である日本にも歓迎されなかった。
他人には分からない痛みが分かるからこそ、2007年に在日韓国人4世である息子の日本国籍取得を許した。
「韓日戦があると、忠成が幼稚園のころから、一緒に東京の国立競技場に行っていました。
そして、二人でのどが張り裂けんばかりに『大韓民国』と叫びました。今は忠成が日の丸を付けてプレーするように
なったので…」鉄泰さんの言葉は途切れてしまった。
それでも、自分なりの意義を見いだそうとしていた。
鉄泰さんは「忠成は日本代表チームで唯一の韓国系日本人として『李』という姓をユニホームに付けています。
これは日本のサッカーの新たな歴史です。父親として息子が一生懸命プレーしてくれることを望んでいますが、
相手が韓国だからか、わたしの気持ちはかなり重いですね」と言った。
「韓国でも忠成のことをよく思っていない人は多いでしょうが、日本でもまだ日本代表としての忠成をよく思っ
ていない人が多いです。これから韓日両国で忠成を高く評価する人が増えればいいですね」
李忠成は2004年にU-19韓国代表候補になり、合宿訓練に参加したが、韓国代表には選ばれなかった。
07年に日本国籍を取得した後、日本の五輪代表チームで活躍し、今年1月にはカタールで行われた
AFCアジアカップ2011で初めて日本のA代表になった。
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1が立った時間 2011/08/11(木) 10:58:14.28