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戸塚ヨットスクールを題材にしたノンフィクション小説をベースに、伊東四朗主演で映画化されながらも、
同スクールの戸塚宏校長らが逮捕されたことでお蔵入りとなった映画「スパルタの海」が、28年ぶりに初めて全国劇場公開される。
戸塚ヨットスクールを支援する会会長の石原慎太郎東京都知事も「ヨット仲間戸塚君を信じて来てよかった」と劇場公開に喜びの
コメントを寄せている。
家庭内暴力や校内暴力が社会問題化した1970年代後半。同スクールは、厳しいスパルタ式ヨット訓練を行い、非行少年らを
更正させる施設として話題を呼んだものの、過酷な訓練の末に傷害致死事件を起こした。同作は1983年9月に劇場公開の予定だったが、
直前の6月にこの戸塚ヨットスクール事件で戸塚校長ら関係者15人が逮捕されたのを受け、劇場公開が急遽中止。
2000年代に入って同スクールを支援する会によってソフト化されたが、一般流通しておらず、幻の作品となっていた。
2006年に刑期を終えた戸塚校長は、スクールに復帰。引きこもりやニートの生活改善を行っている現在のスクールを追った
ドキュメンタリー映画「平成ジレンマ」がモントリオール世界映画祭に正式招待されるなど、今一度注目を集めている。
今回初めて全国劇場公開される「スパルタの海」では、伊東が戸塚校長を熱演。家庭内暴力が悪化したためスクールに送り込まれた
不良少年が、仲間の死や恋などを経て成長していく様を壮絶な暴力描写を交えて描く。
石原東京都知事は「彼がいかに人命を大切にしていたか、いかに情緒障害児（登校拒否、非行、暴力、無気力など）に心血を注いで
更正させたか、見るものに感動を与える映画です。戸塚君とヨット教室の名誉を回復する素晴らしいドキュメンタリー映画」と
本作を推している。当時のスクールの方向性をありのままに描き、単なるプロパガンダ映画になっていない作りは高く評価できる。
非行少年たちに繰り広げられる暴力は教育か否か。封印の解かれたこの問題作は、一見の価値ありだ。
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