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コラムニストの石原壮一郎氏は、震災直後、事務所で付けっぱなしにしていたラジオから『アンパンマンのマーチ』が流れてきたのを聞き、思わず落涙した。
そして自分がレギュラーを務めているラジオ番組の企画で「被災者を元気づける曲」として、この曲を躊躇わずイチ押ししたという。
人々を勇気づけるこの歌はどのように誕生したのか、どのような想いが込められているのか。
自ら作詞を手がけた「アンパンマン」作者で今年92歳、漫画界の大御所やなせたかし氏に、ノンフィクション・ライターの神田憲行氏が聞いた。
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やなせ:「アンパンマン」を創作する際の僕の強い動機が、「正義とはなにか」ということです。
正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです。
なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません。
アメリカにはアメリカの“正義”があり、フセインにはフセインの“正義”がある。
アラブにも、イスラエルにもお互いの“正義”がある。つまりこれらの“正義”は立場によって変わる。
でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです。
やなせ氏は第二次世界大戦では砲兵として中国に駐留していた。
大東亜共栄圏の美名のもと「正義の闘い」だと信じていたものが、戦後、侵略戦争だと知った。
「天皇陛下万歳」と叫んでいた者たちが「民主主義」に走り去っていく姿も見た。
全ての正義が相対化されていくなかで、絶対的な正義とは何か考えていって、突き当たったのが飢えに苦しんだ兵隊時代の記憶だった。
そこから「自分を食べさせて人を救う」ヒーローが生まれた。
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)より抜粋
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