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第83回選抜高校野球第6日の28日、第1試合で東北(宮城)が登場した。東日本大震災で、
練習も食事も思い通りにならずに甲子園入りしたナインたち。大垣日大(岐阜)に0―7で敗れたが、
地元の避難所で厳しい生活を強いられている被災者らは、懸命なプレーに思いを重ねた。
夷塚圭汰選手(2年)の出身校で、約230人が避難生活を送る仙台市若林区の市立蒲町(かばのまち)中。
試合開始の午前9時、武道館に設けられた1台のテレビに十数人が集まった。
最前列で観戦していた三浦幸子さん(63)は、津波で自宅を失った。「表情に出さずに立ち向かっていく姿に
勇気をもらうね。応援している時は避難生活を忘れられる。久しぶりに、こんな大きな声を出して笑ったよ」
小学5年生の遠藤倭君(11)は、床上浸水した自宅から大切にしていたグラブを見つけ出した。
そのグラブを手に、毛布にくるまって暖を取りながら、試合を見つめた。「早く野球をやりたい。
甲子園は憧れの場所。いっぱい練習して甲子園に行きたい」
最後の打者が打ちとられると、ため息が漏れたが、被災者らは「精いっぱいやったよね」「次は夏だね」と
拍手を送った。佐藤美代子さん(58)は「家もなくて一から出直しだけど、頑張っていかないとね」と話した。
仙台市の東北高では、食堂にテレビ3台と椅子を用意。留守番部隊の生徒のほか、近くの住民ら
約100人が集まった。町内会長の小金沢佳史さん(59)は「部員は水くみや炊き出しで避難所に
応援に来てくれた。『何かやることありませんか』と積極的に動いてくれた」。試合には敗れたが、
「9回裏は一球一球食らい付くような思いが伝わるプレーだった」とたたえた。
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