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「こんな詐欺みたいな宣伝に乗ってくれる芸能人なんかいるのかな？」
営業A（26歳）は最初に勤めた会社を辞めた後、半年間職が見つからなかった。26回の面接に失敗し、
やっとの思いで内定をもらったのは、クリックする度に費用が発生する不思議な会社だった。
教えてくれる先輩もなく、自ら歯を食いしばって仕事に取り組んだが一向に成績が伸びない。
ある日、Aは上司に呼ばれた。
「ベニオクを宣伝する芸能人の契約をとってこい。取って来なければクビだ！」
Aは思った。これは肩たたきだ。しかし、やっとの事で掴んだ仕事を失いたくない。
食事がのどを通らない日々が続き、Aの体重は15㌔も落ちた。
意外な所から糸口が見つかった。Aの小学校時代の友人が芸能事務所に勤めているという噂を聞いたのだ。
何とか友人が口を利いてくれる事になった時、代償は大きかったが「助かった」という気持ちが勝った。
１週間後、3人の芸能人がベニオクの宣伝をしてくれた。アクセスも急増し、上司からも褒められた。
しかし、これは仕組みに気づかない人も増えているという事に思い至った時、不意にAは思いついた。
「そうだ、東原亜希さんに宣伝してもらおう。ノルマは果たせるし、万が一会社が駄目になっても、
東原伝説が増えるだけで、多くの人が救われるんだ」
Aは大至急友人に電話する事にした。
（2011年1月24日アカヒ新聞）