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ヤクルトの球団売却報道は否定された。しかし、10月に横浜の球団売却検討が明るみに出るなど、
経営に苦しむプロ野球界の様子が一連の騒動から浮かび上がる。
ヤクルト球団の今季の赤字は20億円弱の見通しだ。
収入の柱だった巨人戦の放送権料の低下を受けて、初めて赤字に転落したのが2002年。
今オフ、林昌勇と3年総額14億円以上の契約を結ぶなど選手年俸は高止まりしており、赤字幅は年々膨らんでいる。
だが、鈴木球団社長は「横浜のケースとは違う」と言う。横浜は親会社の赤字転落が球団売却検討の契機となったが、
ヤクルト本社の昨年度の純利益は132億円と堅調。「球団を持つことで世界で信用される企業になっている」と球団保有の意義を強調する。
それでも、ある在京球団の社長は言う。「どこも経営は苦しい。20億円の赤字は、ヤクルトの規模なら球団を持とうと思えば持てる額だが、
いつまで持ちこたえられるか」。プロ野球界は確実に曲がり角を迎えている。